Tensor Energy株式会社が新たな発電最適化に挑む
近年、日本では再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいます。中でも、FIT(固定価格買取制度)からFIP(フィードインプレミアム)制度への移行が注目されています。この制度は、市場の価格変動に応じて、より柔軟で効率的な発電の運用を求めています。そんな中、福岡市に本社を構える
Tensor Energy株式会社は、新たな挑戦を始めました。
共同実証事業の概要
Tensor Energyは、株式会社リミックスポイント、株式会社シールエンジニアリング、エナジー・ソリューションズ株式会社との提携により、発電事業の最適化を目指した共同実証事業を立ち上げました。この実証は、熊本県宇城市にあるリミックスポイントが所有するFIT太陽光発電所で行われます。ここでは、約2,500kWhの蓄電池システムを活用し、発電予測市場、需要予測を基に運用の最適化を行なう予定です。
業務の効率化を図るAI技術
Tensor Energyは、AIを駆使した「Tensor Cloud」というソフトウェアプラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、太陽光発電システムと併設された蓄電システムの収益最大化を支援するものです。AI最適化技術を一歩先に行くフロントランナーとして、Tensor Energyはすでに13ヶ月の運用実績を有しています。
取り組みの内容
1.
発電・市場予測モデルの構築
- 蓄電池の運転データや市場データを活用することで、精度の高い発電・市場価格予測を行います。
2.
申請・計画策定プロセスの自動化
- 予測結果に基づき、蓄電池の最適充放電計画を策定し、JEPXやOCCTOへの申請業務を自動化します。これにより、業務の効率化が実現します。
3.
蓄電池のリアルタイム制御・運転最適化
- リアルタイムでデータを処理し、発電量や蓄電池の充電量の変動に応じた迅速な充放電制御を行います。
未来へのビジョン
Tensor Energyは、この共同実証を通じてFIP制度における再生可能エネルギー発電の収益性向上と運用の効率化を図ると共に、需給調整市場への参入も視野に入れています。持続可能なエネルギーを必要な時に供給する社会の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めていく姿勢を示しています。
企業の紹介
代表者:田代 卓
所在地:東京都港区虎ノ門4丁目
設立:2004年3月
主な事業内容:電力小売、蓄電池事業など
代表者:森上 寿生
所在地:東京都千代田区神田
設立:2010年2月
主な事業内容:再生可能エネルギーの導入、運用支援など
代表者:堀 菜々、フィルター カルロス ヴィンセント
所在地:福岡県福岡市中央区
設立:2021年11月
主な事業内容:発電システム、蓄電システムの資産運用とソフトウェア開発等
この実証実験が、今後の再生可能エネルギー事業の発展に寄与することを期待したいです。