加古川市が持続可能な航空燃料の普及促進に向けて新たな一歩を踏み出す
2025年8月4日、兵庫県加古川市は日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYとの間で、持続可能な航空燃料(SAF)の普及に向けた連携協定を締結しました。この協定は、家庭から排出される廃食用油を原料として、SAFの製造を促進することを目的としています。
協定締結の背景と目的
今回の協定は、脱炭素社会の実現を目指し、廃食用油を回収し、それを再資源化して持続可能な航空燃料として活用することを狙っています。加古川市は、「Fry to Fly Project」というプロジェクトにも参加し、6月から本格的に家庭等からの廃食用油を利用する取り組みをスタートさせています。このプロジェクトは、使用済み食用油を航空燃料として活用することを目指し、資源循環の促進に寄与するものです。
協定の内容と具体的な取り組み
協定の主要な内容は主に次の4つから成ります:
1. 家庭から排出される廃食用油の回収
2. 廃食用油の運搬及びSAFの製造
3. SAFとしての再資源化に関する情報の発信
4. その他、本協定の趣旨を実現するために必要な事項
具体的には、加古川市内に廃食用油専用の回収ボックスを設置し、家庭から回収された廃食用油をSAFとして再利用する計画が進行中です。また、市内の24の学校や給食センターから年間約40,000リットルの廃食用油が発生しており、来年度にはSAFへの活用が期待されています。そして、ゼロカーボンパートナーシップ協定を結んでいる地元の事業者にも情報を提供して、協力を促進していく方針です。
環境教育への取り組み
加古川市は、無料の「かんきょう出前講座」を通じて市民に対する環境教育も行っています。この講座にはSAFへの再資源化に関するテーマも加えられることで、さらなる啓発が図られます。教育を通じて市民の理解と協力を得ることが、持続可能な未来への第一歩となるでしょう。
SAFの重要性とその特長
持続可能な航空燃料(SAF)は、廃食用油やバイオマス燃料を原料として製造され、航空機の改良なしで利用できるため、非常に環境負荷が低いのが特徴です。SAFは製造から使用までのライフサイクルで約84%のCO2排出削減効果を期待でき、脱炭素社会を実現するための鍵と言えます。
未来の展望
加古川市は、日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと連携し、このプロジェクトをさらに推進することで、兵庫県内そして日本全体での持続可能な航空燃料の供給体制を強化していく計画です。廃食用油を有効活用する取り組みが地域社会にどのような影響をもたらすのか、今後の動向に注目です。これにより、持続可能な未来に向けた新たなモデルケースとして、他地域への波及効果も期待できるでしょう。
これからも、加古川市の新たな試みに目が離せません。