第二新卒のIT人材採用拡大と早期離職防止策の現状

第二新卒のIT人材採用と早期離職防止策の現状

近年、日本のIT業界において、第二新卒のIT人材採用が急増しています。レバテック株式会社が実施した最新の調査によると、採用担当者の約4割が昨年度に比べて第二新卒の採用人数が増加したと回答しています。これは、即戦力の確保を目指す企業にとって非常に重要な傾向です。

第二新卒採用の実態

調査結果によると、第二新卒のIT人材を採用する理由は「即戦力の確保」が最も多く、次いで「新卒採用が厳しい」や「社会人経験があるため研修を簡略化できる」といった回答が見られました。また、エンジニア未経験の応募者を採用している企業も約7割に達しており、将来的な成長を期待してポテンシャルの高い人材を迎え入れる傾向があります。

特に、第二新卒を採用した企業の74％が「教育コストの抑制」を挙げており、これは企業の教育投資を削減できる大きな利点といえるでしょう。このように、第二新卒のIT人材が持つ社会経験や学習能力は、企業にとって魅力的な財源となっています。

早期離職の懸念

しかし、新たな人材を迎え入れる一方で、約8割の採用担当者が早期離職に対する懸念を抱えています。前職で短期間に退職した経歴を持つ人材を採用すること自体のリスクとして、「環境変化への適応力が低い可能性」や「転職に対する抵抗が少ない」といった理由が多く挙げられました。実際、調査では、「半年未満で前職を退職した」人材に関する懸念が最も高く、採用後のミスマッチによる早期離職のリスクが高いことが伺えます。

定着支援の重要性

このような早期離職のリスクを低減するために、企業は「入社理由の深堀り」や「配属先との面談」を通じたミスマッチ防止策を強化しています。また、4社に1社は基本給の引き上げを提示するなど、待遇改善に向けた具体的な取り組みも始まっています。

レバテックの泉澤社長もこの調査結果を踏まえ、「早期離職を防ぐための努力が求められることは明らかで、両面からのアプローチが今後の成功鍵となる」と述べています。特に、入社後の定着支援が企業の成果に直結すると考えられています。

未来の採用戦略

新卒一括採用の慣習が変わりつつある中で、第二新卒や未経験の人材を採用することは企業にとって重要な選択肢となっています。IT業界の厳しい競争に打ち勝つためには、今後もこの傾向は続くでしょう。教育コストを抑えるだけでなく、自社での人材育成が進むことで、企業全体の成長につながることが期待されます。

最近の調査では、26卒のエンジニア志望学生の約6割が入社前から転職を視野に入れていることが分かりました。これは企業が求める人材像を見直す好機であり、第二新卒採用のアプローチをさらに深化させる必要があると言えそうです。

レバテック株式会社では、これらのニーズに応えるために、さまざまなサービスを提供し続けており、今後はさらに多くの第二新卒や未経験者がIT業界で光る時代が来ることが期待されています。