一建設、岐南工業高校向け現場見学会と設計体験会を開催
2024年10月17日、一建設株式会社が岐阜県立岐南工業高等学校の建築工学科1年生32名を招待し、木造住宅の建築現場見学会と住宅設計体験会が行われました。これは、担い手不足が深刻な建築・建設業界への興味を喚起し、未来の人材を育成することを目的としています。
建設業界の現状と目的
国土交通省のデータによると、2021年の建設業の就労者数は1997年と比較して約30%減少しており、特に団塊世代が大量退職する2025年頃には人手不足がますます深刻化すると予測されています。このような背景から、今回のイベントは将来の建築業界に貢献するために、学生たちに新たな発見を促すことを意図しています。
現場見学の実施内容
今回のイベントは2部構成になっており、まずは建築現場見学会が行われました。ここでは、一建設の社員が実際に進行中の木造住宅の現場を案内し、基礎工事や躯体工事についての詳細な説明を行いました。特に注目されたのは、岐南工業高校の卒業生で現在一建設の大工として働く山添廉が、安全な電動工具の使用方法を高校生たちに教えた点です。このレクチャーの後、選ばれた4名の高校生が実際に電動工具を使ってビス打ち体験をしました。
住宅設計体験会の概要
続いて行われた住宅設計体験会では、一建設の社員が住宅設計のプロセスや3D CADの実演を行いました。高校生たちは自分の理想の家をデザインするために、作図用の方眼紙に住宅図面を作成しました。参加者の中から選ばれた3名は、自身の設計案を発表する機会も与えられ、質疑応答を通じてさらに深く学びました。
参加生徒の感想
参加した高校生からは、現場見学を通じて「基礎工事の新しい工法に驚いた」「先輩からの話を聞いて大工の仕事の魅力を理解できた」といったポジティブなフィードバックが寄せられました。また、設計体験を終えた学生たちは「3D CADを使うことで、設計が効率的にできることに感動した」「設計士の仕事に関心を持つようになった」と述べ、実りある経験となったようです。
イベントの詳細
このイベントは、建築現場見学会と住宅設計体験会という二つのプログラムで構成されており、岐阜市内の一建設岐阜店と愛知県丹羽郡の住宅建築現場でそれぞれ実施されました。参加者には高橋誠一西日本工事統括本部長、設計部の多田和志部長などが顔を揃え、未来の建設業界を担う学生たちとの貴重な交流の場となりました。
一建設の企業理念
一建設株式会社は、1967年に設立され、分譲戸建住宅やマンション、注文住宅の建設を手がけている企業です。同社は、質の高い住宅を提供しつつ、次世代の人材を育成することで、持続可能な建設業界を目指しています。今後もこうした教育活動を通じて、業界の未来に貢献していくことが期待されます。