丹下健三設計の貴重な文化遺産、保存求める署名活動
香川県が計画する「旧香川県立体育館」の解体に対し、多くの市民が保存を求める声を上げています。この「船の体育館」として広く知られる建物は、著名な建築家・丹下健三氏が設計したもので、地域にとっても文化的な価値が高いとされています。
声が集まった署名活動
この保存を求める署名活動は、2025年7月28日にスタートし、わずか10日で2万筆を超える賛同が集まりました。これは、多くの人々がこの建物が持つ価値を認めている証拠といえるでしょう。署名はオンラインと紙の両方で集められ、現在も活動は継続中です。
アンケート調査の結果
さらに、香川県による解体方針に賛同するかを問う全国規模のアンケート調査では、73%の県民が建物の保存・利活用に向けた協議を求めていることが分かりました。香川県内の調査においては、「民間事業者に協力を求めるべき」と考える回答が37%を占め、解体手続きを保留し協議に応じるべきだという意見も36%に上りました。これは、建物を単なる資産として捉えず、文化的な財産として未来に残していきたいと願う人々の思いの表れです。
文化的価値の評価と耐震性の実証
文化庁文化審議会文化経済部会のワーキンググループが提出した資料では、旧香川県立体育館が持つ文化的価値が客観的に評価されています。また、専門家による構造性能評価レポートも公開されており、この建物は大地震時に倒壊することはなく、耐震改修が可能であることが示されています。これにより、更なる保存の正当性が裏付けられています。
再生委員会の要望
旧香川県立体育館再生委員会は、署名活動やアンケート調査の結果を受けて、香川県に対して再度協議の場を設けることを強く要望しています。また、民間による資金での改修や施設への利用案についても検討するよう訴えています。理想的で持続可能な地域づくりには、地域内外の合意と協力が不可欠です。
署名活動のリンクと今後の展望
保存活動の詳細や署名活動の模様は、公式Webサイトや専用の署名サイトで確認することができます。多くの人がこの建物を救うための声として積極的に参加していくことが求められています。地域の声が形となり、未来の文化財が残ることを期待しましょう。
このような動きは、丹下健三氏の建築作品が持つ意義を示すものであり、地域住民にとっての誇りでもあります。これからも重視したい文化的財産を守るための活動に注目し、支えていくことが重要です。