AIを活用するZ世代就活生のリアル: 魅力と抵抗感の狭間

Z世代就活生とAI活用: 調査結果の詳細

株式会社アレスグッドが実施した調査によると、就職活動を控える大学生や大学院生300名の内約60％がAIを活用していることがわかっています。しかし、その一方で「AIによる合否判断は避けたい」との声も多く、Z世代の就活生がAIとどのように向き合っているのか、具体的な現状が浮き彫りになりました。

AIの活用シーンは？

調査では、AIの利用方法として最も多く挙がったのは「エントリーシートの作成・添削」で、86名が利用しているという結果でした。次いで「自己分析」となり、85名がこのプロセスにもAIを取り入れているとのことです。これにより、就活の準備段階ではAIが広く受け入れられていることが確認されました。しかし、逆に118人が「AIは活用していない」と回答しており、Z世代内でもAI活用には明確な格差があることも示唆されています。

AIによる合否判断への抵抗感

さらに、AIによる合否判断に関しては否定的な意見が多数集まりました。「AIにジャッジされるのは嫌だ」とした回答は88名、「AIに判定されても納得できない」と答えたのは86名でした。この結果は、就活生がAIの評価能力を認識しつつも、最終的には人による評価を重視していることを示しています。Z世代はAIの効率性を理解しながらも、人間的な関係性を求めているのです。

就活プロセスに対する感じ方

就活生にとっての就職活動プロセスについて聞いたところ、110名が「すべて意味がある」と回答しました。この研究は、就活の各プロセスに一定の意義を見出している多くの学生の姿を反映しています。その中でも「インターンシップ」「自己分析」「企業説明会」に対する評価が高いことがわかりました。一方、グループディスカッションや集団面接には「意味がない」という意見も散見されました。

課題としての自己分析

就活生が最も負担に感じるのは「自己分析・自己PRの作成」とされており、111名がこの作業に対してストレスを抱えていると回答しています。内面的な探求は多くの学生にとって困難である一方、「自己分析には意味がある」と認識しているという二律背反を抱えているようです。

相談相手の現実

就活に関する悩みを相談する相手としては、身近な存在である「親・家族」「友人」が多く見られました。具体的には、147名が「親・家族」、140名が「友人」と答えていますが、「AI」や「SNS」に頼る学生は少数派でした。特に「誰にも相談しない」と答えた学生も45名おり、悩みを抱え込む傾向も見られました。

まとめ

今回の調査は、Z世代の就活生がどのようにAIを活用しつつ、人間的なつながりを求めているのかを明らかにしました。彼らはAIによる効率性を積極的に取り入れながらも、最終的には人間らしい理解や共感を求めていることがわかります。企業側は、こうした要求にしっかりと応える必要があります。今後の就活支援では、デジタルと人間のバランスを大切にし、就活生一人ひとりの価値観を理解する姿勢が求められています。