没後50年を迎える棟方志功の作品展が池袋で開催
2025年6月26日から7月8日の期間、西武池袋本店8階の美術画廊で、「―没後50年―棟方志功作品展」が開催される。棟方志功は、1903年に青森市で生まれ、日本の木版画の可能性を追求し続けた画家だ。彼の作品は、まさに「木版画こそ日本の美」だとの信念のもと、その創作活動を続けた。
棟方志功の経歴を振り返ると、彼は戦後の日本において国際的な賞を数多く獲得し、「世界のMunakata」として世界に名を馳せた。地元への愛情と自然への驚き、友人への感謝と故郷への哀しみが表現された作品群は、彼の独特な視点を反映している。本展では、その数々の名作を一堂に楽しむことができる。
作品紹介
本展では、棟方の代表作の中からいくつかの作品を特にピックアップして紹介する。文字と絵が融合した作品や、自然をテーマにした作品等、多彩なスタイルの作品群が不足することなく展示される。
「磯鷲の柵」
制作年: 1955年(昭和30年)
サイズ: 24×15cm
この作品は、歌人・原石鼎の歌『磯鷲はかならず巌にとまりけり』を元に、棟方が彫り上げたものだ。彫刻されている鳥は、歌中では鷲とされるが、棟方は実際には鷹を描いているのではないかとも言われている。八甲田山を登っていた際のエピソードも交えられており、その背景にある情熱が伝わってくる。
「足揚妃の柵」
制作年: 1959年(昭和34年)
サイズ: 40.5×30cm
この作品は、ロックフェラーに招待された棟方が渡米中に制作されたと考えられ、その後の影響を受けたことが伺える。独特な立体感が感じられる女性像が描かれており、彼の作品の中でも特に明るい表情を見せる一枚だ。
「鴛鴦の柵」
制作年: 1945年(昭和20年)
サイズ: 44.3×33cm
この作品は、棟方にとって心の師である陶芸家・河井寛次郎を讃えるように制作されたもので、戦後の初期に創作された重要な作品である。白と黒のコントラストが美しく、彼の技術の進化を感じさせる。
「春映の柵」
制作年: 1956年(昭和31年)
サイズ: 33.4×31.8cm
この作品は、文豪・谷崎潤一郎の和歌を基にして制作されたもので、特に多彩な彫刻刀を用いたことが特徴的だ。水辺に浮かぶ睡蓮の美しさが繊細に描かれており、彼の技術の幅が感じられる。
棠方志功の作品展は、彼の生涯と業績を振り返る絶好の機会であり、芸術や文化に興味のある人々にとっては見逃せないイベントとなるだろう。展示会はそれぞれの期間ごとに異なる作品が並ぶため、二度訪れる価値がある。
開催情報
- - 会期: 2025年6月26日(木)~7月1日(火)、7月2日(水)~8日(火)
- - 会場: 西武池袋本店8階 美術画廊
- - 営業時間: 午前10時~午後8時(最新の営業時間は公式ホームページ確認)
- - 住所: 東京都豊島区南池袋1-28-1
- - 問い合わせ: 03-3981-0111
この機会にぜひ、棠方志功の芸術に触れてみよう。