株式会社明治が、持続可能な社会に向けての新たな一歩を踏み出しました。プラスチック問題の解決に貢献するため、2020年6月から始まった共同出資会社「株式会社アールプラスジャパン」への資本参加を発表したのです。この取り組みは、使用済みプラスチックの再資源化を強化し、バリューチェーン全体に持続可能性をもたらすことを目的としています。
明治グループは長年にわたり、プラスチック資源循環に向けた取り組みを行っており、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」を掲げています。今回のアールプラスジャパンへの参加は、そのビジョンをさらに具体化したものといえるでしょう。プラスチックの使用量削減を進める中で、使用済みプラスチックの再資源化の重要性は高まっています。この新たな取り組みを通じて、明治はプラスチック問題に立ち向かうべく、真剣に取り組んでいく姿勢を示しています。
アールプラスジャパンは、米国のバイオ化学ベンチャー企業アネロテック社と協力し、使用済みプラスチックの再資源化技術の開発を進めています。「『すてる』をなくす、『みらい』をつくる。」という企業理念のもと、プラスチックに関する課題を全球的に解決するため、リサイクルのスキームを構築しています。回収プラスチックの選別など、多くの業種との連携を図りつつ、資源循環への取り組みを深めているのです。
近年、日本国内ではペットボトル以外のプラスチックが多く焼却され、リサイクル率が上がらないという問題があります。この問題を解決するため、アールプラスジャパンは新たな再資源化技術を開発しました。具体的には、プラスチックを直接原料に戻すケミカルリサイクルの技術です。この技術により、従来の工程よりも少ないステップで処理が可能になり、CO2排出量の削減やエネルギー使用量の低減が期待されます。これが成功すれば、より多くの使用済みプラスチックが再利用できる道が開かれます。
アールプラスジャパンの本社は東京都港区にあり、代表取締役社長は大竹篤氏です。その事業内容は、使用済みプラスチックの再資源化に関する技術・検証の開発および実用化推進へと展開されています。
アネロテック社についても触れておくべきでしょう。2008年に設立され、米国ニューヨーク州を拠点とするこのバイオ化学ベンチャーは、非食用の植物由来原料からベンゼン・トルエン・キシレンなどを生成する技術を有しています。この技術により、石油精製品と同等の性能を持つ化合物を作り出すことができ、環境負荷の低い選択肢を広げています。
このように、明治は単なる出資に留まらず、プラスチック再資源化に向けた多面的なアプローチを進めています。今後も使用済みプラスチック問題の解決に向け、多くの企業と連携しながら取り組みを強化し、サステナブルな社会の実現に貢献していくことでしょう。