ヴォーカーズが語る、社風の定義と新入社員の士気の変化
就職・転職をサポートする企業リサーチサイト「Vorkers」を提供する株式会社ヴォーカーズが、2023年5月22日に社風に関する調査結果を発表しました。このレポートでは、約7万人の社員が投稿した評価データから『風通しの良さ』と『社員の士気』を取り上げ、年齢や業界、企業別の分析を行っています。
社風とは
まず、社風とは何かを考える必要があります。社風は、企業独特の文化や雰囲気を形成するさまざまな要素から成り立っています。これには、組織内の人間関係や価値観などが含まれ、明確な基準が存在するわけではありません。しかし、ビジネスにおいて、自分に合った社風を見つけることは、働く環境を決定する上で重要なポイントです。
特に新入社員が入社してから数週間が経過する5月は、社内の人間関係や職場の雰囲気が気になる時期だといえるでしょう。このタイミングでの社風の評価に関する調査は、非常にタイムリーなものといえそうです。
調査結果の概要
調査結果によると、『風通しの良さ』と『社員の士気』は共に入社1年目がピークを迎えた後、入社3年を経過するごとに大きく下がる傾向が見られました。特に『社員の士気』は急激な低下を示すことが分かりました。
業界ランキングでは、総合商社、コンサルティング、情報サービスの分野が高評価を得ており、企業ランキングではIT関連企業が特に評価を受けていることが特徴的です。
- - 風通しの良さ: トップ企業の中で見られるのは、IT関連企業が大半を占めています。例えば、1位のガイアックスや2位のグーグル、アシストが名を連ねています。これらの企業では、上下関係が薄く、意見がオープンに交換される環境が育まれています。
- - 社員の士気: 一方で、サービス系企業であるステップ(学習塾)、Plan・Do・See(ウエディングプロデュース)、アイランド(アパレル)が上位にランクインしています。これらの企業では、高品質なサービスを提供するために、社員のやる気を引き出す工夫がなされていると考えられます。
特に、学習塾の「ステップ」では、生徒の反応を直接人事評価に反映させることで、仕事にやりがいを感じやすい環境を実現しています。
年齢による社風の変化
調査結果から見えてきたのは、社風に対する最も高い評価が新卒1年目の22歳の社員から得られるということです。この年代は、就職活動を経て新しい職場へ入社した期待感を持っているため、企業への評価が高くなる傾向にあります。
人材育成において新卒を採用する目的の一つは、組織に新たな風を吹き込むことにあります。新入社員は、フレッシュな視点や型にはまらない発想を持ち込むことが多く、そのため社風の評価が高くなりやすいのです。
まとめ
ヴォーカーズの調査からは、社風と新入社員の士気の関係が浮き彫りになりました。入社1年目は期待や士気が高い一方、3年目以降はその評価が著しく減少することから、企業側は新人社員の定着やモチベーション維持に向けた施策が必要であると指摘できます。これは、企業の成長を願っての取り組みにもつながるでしょう。社風の改善には、経営者や人事部の積極的な関与が求められます。
このように、社風や環境が社員の働き方に大きな影響を与えることは明白であり、今後もそのトレンドを注視し続ける必要があるでしょう。