豪州でのCO2貯留プロジェクトの発表
最近、deepC Store Pty Ltd(本社:西オーストラリア州パース、代表取締役社長:車大仁)とAzuli (Australia) Pty Ltd(同じくパース、本社:Ralph Cowan社長)が、豪州のボナパルト及びブラウズ盆地での温室効果ガス(GHG)貯留鉱区において探査許可を得たことが発表されました。これにより、両社は電源開発株式会社(Jパワー)との戦略的なパートナーシップを確立し、これからのCCS(Carbon Capture and Storage)事業に向けた共同取り組みが見込まれます。
探査許可の背景と意義
この探査許可は、豪州連邦政府が実施した入札を通じて取得したもので、GHG鉱区の名称はGHG23-1とGHG23-2です。特に、日本と豪州を含む周辺地域でのCO2の分離回収及び貯留に向けた重要なステップと位置づけられています。両社は、これらのGHG鉱区の開発を通じて、日本と豪州の排出削減目標に寄与するためのCCS事業の強化を進める方針です。また、Jパワーは、これらの鉱区内に約10億トンのCO2を貯留できる潜在能力を活用し、共同事業に参画します。
プロジェクトの概要と将来計画
この新たなプロジェクトでは、日本及び豪州のCO2排出源から液化CO2(LCO2)を回収し、専用の船舶によって沖合の浮体式貯留圧入施設(FSI)に輸送して、効率的に貯留する体制を構築します。特に、双方の代表者もコメントしている通り、これはアジア太平洋地域における革新的なCCSハブとなることでしょう。
Jパワーの執行役員、籔本晃氏は「deepC Store及びAzuliと協力してCCSを開発できることを嬉しく思います」とコメントし、この取り組みがCO2削減の選択肢を提供入ると期待を寄せています。また、deepC Storeの車社長も「豪州の公開鉱区が2つ落札できたことを大変嬉しく思います」と述べ、このプロジェクトがCCS業界での地位を強化することに繋がる意義を強調しました。
市場の展望
今回の探索の成功は、のちのCCS事業の市場における競争力を高め、さらなる投資やパートナーシップ機会の創出に貢献するでしょう。特に、Azuliの代表であるHamish Wilson氏も、「CO2地下貯留事業は重要な事業機会となる」と予測しており、両社は長年にわたりこの市場の動向を認識してきました。
お問い合わせ先
このプロジェクトによって、豪州と日本の両国におけるCO2削減の取り組みが加速されることが期待されています。その動向や成果に、今後も注目していきたいところです。