埼玉県の中学校での認知症教育出前授業
埼玉県富士見市立勝瀬中学校では、2023年3月5日に約240名の3年生を対象に、認知症に関する教育の出前授業が行われました。これは、株式会社学研ホールディングスのグループ会社、メディカル・ケア・サービス株式会社の取り組みとして実施されました。
認知症の現状とその影響
2025年には、高齢者の3.5人に1人が認知症またはMCI(軽度認知障害)になると予想されており、子どもたちの親もその可能性が高いと言われています。このため、認知症に関する正しい理解を深め、偏見や誤解を減らすことが重要です。メディカル・ケア・サービス株式会社は、地域社会の未来を担う子どもたちと共に「認知症」と向き合い、そうした意識を持った社会を作ることを目指しています。
勝瀬中学校でのこの授業は、2023年から始まり今年で3年目を迎え、多くの生徒に対して重要なメッセージが送られました。
授業内容と子どもたちの反応
授業の中では、日本における高齢者の割合や物忘れとの違い、具体的には認知症になるとどのような失敗があるのかを教える内容が盛り込まれ、子どもたちにはその実体験も提供されました。具体例を通して、認知症をより身近なものと感じてもらうための工夫がされています。
また、認知症の方たちが抱える毎日の不安感を理解し、その「不安」を「安心」に変えるために必要な声かけや対応の方法も考える時間がありました。子どもたちは、認知は能動的に行わなくてはならないこと、つまり、周囲に困っている人がいれば声をかける姿勢が重要であると学びました。
生徒の感想
実際、授業を受けた生徒たちからは以下のような感想が寄せられています。
- - 「認知症についての漠然としたイメージが、不確かを確かにすることができるという共通点を意識することで安心できた。」
- - 「認知症は治すのが難しいと思っていたが、適切に対応すれば元気に生活できるとのイメージが持てて前向きになった。」
- - 「介護の仕事は辛いものだと思っていたが、介護された側の笑顔に喜びを見出せる仕事だと知り、印象が変わった。」
このように、認知症問題が自分事として考えられるようになったことや、介護の重要性が再認識されたことが、生徒たちの心に深く刻まれたようです。
講師の紹介
授業を担当したのは、杉本浩司氏。彼は、介護福祉士としての多くの経験を持つプロフェッショナルであり、日本一かっこいい介護福祉士として多くの聴講者を魅了してきました。彼の講演は、実に延べ6万人以上に及び、その知識と経験は授業に深みを与えました。
まとめ
このような取り組みを通じて、認知症に関する理解を深めることが、未来の社会にとって不可欠であることが再確認されました。子どもたちがこの授業を通じて得た知識や意識が、地域社会の未来をより良いものにする第一歩となるでしょう。