マクニカとZenmovが自動運転モビリティで業務提携、次世代交通サービスを展開へ

マクニカとZenmovの業務提携

株式会社マクニカ（神奈川県横浜市）とZenmov株式会社（東京都目黒区）が自動運転モビリティサービスの事業で業務提携を締結しました。この新たな連携により、中東やアジア（中国と日本を除く）及び北米での次世代モビリティサービスの共同開発が進められる予定です。両社は、マクニカの子会社であるNavya Mobility SASの自律走行車両技術を導入し、社会実装を目指します。

提携の背景

近年、都市化や人口増加が進む中で、持続可能な交通インフラ整備は世界中で重要な課題となっています。特に中東地域では、アラブ首長国連邦の「Dubai Smart City戦略」やサウジアラビアの「Vision 2030」が進行中です。これにより、公共交通の効率化とゼロエミッション化が国家的な政策として位置付けられています。さらに、シンガポールやフィリピンなどアジアの様々な国では都市の渋滞緩和や物流効率化への需要が高まり、これを解決するためのデジタル技術を活用したモビリティサービスが求められています。

北米でも、電気自動車や自動運転車の普及が進行中で、州政府によるグリーンインフラの投資が欠かせない状況です。こうした背景が、両社の提携の根本にあります。

共同の取り組み内容

Navyaの自動運転技術を基盤に、両社では地域のニーズに合わせた交通管理システムや車両管理システムを持ち寄り、次世代モビリティサービスを共同で開発します。各国の自治体や交通事業者、インフラ関連企業とも連携し、実証実験やパイロットプログラムを実施することで、公共交通の進化や空港内での移動サービスに迅速に社会実装を進めていきます。

マクニカとZenmovの強み

マクニカの強みとして、特に目を引くのは、子会社のNavya Mobilityが持つ自動運転技術の導入実績が32か国である点です。また、官公庁や企業との連携を通じて得ている自動運転およびMaaSソリューションの社会実装に関する知見も強力な武器です。さらに、次世代モビリティサービスに必要なグローバルエコシステムの構築能力も魅力です。

一方、Zenmovの強みは、MaaSプラットフォーム「SMOC」を中心に、配車アプリやカーシェアサービスを開発提供していることです。特に東南アジアでの実証実験の豊富な経験と、迅速な市場参入を支える現地ネットワークは大きな資産です。また、持続可能なモビリティ社会への貢献に特化した開発力も際立っています。

今後の展望

両社はこの提携を活かし、アジアや北米におけるサービスの展開を視野に入れています。各地域が直面する社会課題や政策ニーズに応じて、自動運転モビリティを通じた交通効率の改善、CO2排出量の削減、さらには利用者の利便性向上を図っていく狙いです。将来的には、次世代の持続可能で安全なモビリティ社会の実現に向けた脚光を浴びる存在になっていくことでしょう。もちろん、各地域での自動運転およびMaaSソリューションの普及活動にも力を注いでいく予定です。