日立自動車交通とWellnee Sleep
東京都足立区に本社を構える日立自動車交通株式会社は、公共交通の安全運行と健康管理の強化を目的として、ネクストリンク株式会社が提供する「Wellnee Sleep」を導入しました。この新しい取り組みにより、同社はドライバーの健康意識を高め、万が一の事故を未然に防ぐことを目指しています。
健康起因事故ゼロのための新しいアプローチ
公共交通機関における健康起因の事故は年々増加しており、その多くが高齢者ドライバーに起因しています。日立自動車交通では、業界内でのこうした深刻な問題に早くから取り組んできました。これまでも健康起因の事故は発生していませんが、今後の安全運行を見据え、より精度の高い測定機器が必要だと感じていました。
Wellnee Sleepを選んだ理由
従来使用していた睡眠検査機器には、いくつかの運用上の課題がありました。例えば、1週間という長期間の測定による従業員の負担や、機器が寝具の下に敷かれるために測定中にずれることが多かったことです。また、PC専用のソフトウェアでしかデータ確認ができず、管理が煩雑だったため、定期的な運用が困難でした。
一方、Wellnee Sleepは服の上からゴム製ベルトを巻くだけで簡単に装着でき、違和感を感じずに測定が可能です。さらに、クラウドベースでデータ管理ができ、多面的な睡眠データを取得できるという特長があります。これらの理由から、同社はWellnee Sleepの導入を決定しました。
現場の反応と導入時の懸念
導入に際しての懸念は、従業員が他の人と機器を共用することに対する抵抗感でした。しかし、Wellnee Sleepは服の上から装着できるため、その懸念はほとんど解消されました。測定を体験した従業員からは「装着を忘れるほど快適だった」という意見が寄せられ、従来では気づかなかった健康状態についてのデータを得られることが好評でした。
中には、自分は呼吸レスとは無縁だと思い込んでいた従業員が、実際のデータを受けて健康意識に変化が見られ、必要に応じて医療機関を訪れるきっかけにもなっています。
運行管理者とドライバーの新たなコミュニケーション
Wellnee Sleepの導入により、運行管理者はドライバーの睡眠状態を把握することが可能になり、具体的な改善策を提案したり、受診を促す会話が生まれました。健康に関するコミュニケーションが活発化することで、事故未然防止だけでなく、職場全体の安全意識の向上にも寄与しています。
経営と社会の信頼を高める健康管理
この新たな取り組みを通じて、経営陣もドライバーの健康管理や睡眠の重要性を再認識し、社内全体で健康への意識が高まりました。同社は「Safety Bus」や「働きやすい職場」などの認定も受けており、健康管理活動は従業員が安心して働ける環境を積極的に整える証となっています。さらに、新卒採用説明会でもこの取組みが紹介され、業界の安全性や働きやすさをアピールしています。
今後の目指す姿
現在、日立自動車交通は全従業員が年に1度、睡眠検査を受ける体制を整えている段階です。加えて、新入社員に対しても検査を標準化し、健康起因事故ゼロの継続を目指す方針です。「健康管理は企業と従業員にとって互いに利益をもたらすものであり、お客様にもその取り組みを理解していただきたい」と運営担当者は力を込めています。
このように、日立自動車交通はWellnee Sleepを活用し、健康追求を通じた安心・安全な運行を実現し続けています。さらなる取り組みが期待されるこの分野で、今後も注目が集まりそうです。