退職代行モームリの利用状況公開
2024年8月1日、株式会社アルバトロスが運営する退職代行サービス「モームリ」の利用者に関する詳細なデータを発表しました。このデータは、累計で15,934件の退職代行を利用した方々の生の声をまとめたものであり、労働環境の改善に貢献するための重要な情報となっています。
退職代行モームリとは
退職代行モームリは、「労働環境改善組合」と提携しており、労働者の権利を守ることを目的としたサービスです。事業開始からの2年4ヶ月で、28,000件を超える相談を受けており、15,000件以上の退職代行を実施しています。このデータの中には、若者を中心に増加している退職代行のトレンドも強く影響しています。
スポットライトを浴びる退職代行
特に近年、SNSやメディアでの取り上げが増え、新卒や特にZ世代の退職に関する探求が高まっています。アルバトロス社は、退職代行がどのように企業によって利用され、どのような理由で活用されているのかコミュニティ全体に知ってもらうための取り組みを進めています。
利用者データの分析
1. 退職理由
この調査によると、退職代行を利用する理由として、最も多かったのはハラスメントで、全体の30%以上がその理由を挙げました。利用者の多くは、自ら退職を申し出ることができない状況にあることが数字に現れており、退職代行は希望ではなく「必要」に迫られて利用されていることが浮き彫りになっています。
2. 年代・性別
性別の割合には大きな差が見られないものの、利用者の60%以上は20代であることが確認されました。これは、SNSの影響による認知度の高まりや、若い世代における職場環境への期待のギャップが関係していると考えられます。
3. 職種別
サービス業での利用者が多数を占め、その中でも長時間労働や人手不足の影響が強く見られる業界で多くの退職代行サービスの利用が見受けられました。
4. 勤続年数
勤続年数が1ヶ月未満の利用者が24.4%、6ヶ月未満が63.2%を占めており、短い勤続年数が多いことが確認されました。これにより、退職後の手続きに対する不安を抱える人が多いことが伺えます。
5. 退職金制度
驚くべきことに、退職金制度があると回答したのはわずか11.7%。これは離職者が短期離職を選ぶ理由とも密接に関係していると考えられます。
6. 支払い方法
退職代行の料金支払方法として、18.3%が後払いを選択しており、現在の給与では支払いが難しいことが背景にあると理解されます。
7. 複数回利用された企業
特に人材派遣会社が複数回利用の上位を占めており、64回の利用があった企業も見受けられました。
今後の展望
退職代行モームリは、提供するデータに基づいて、企業や労働者の労働環境の改善に寄与していくことを目指しています。今後は、著書やセミナーを通じて労働者の現状を伝え、より良い職場環境の構築を提唱していく方針です。
エンドユーザーに向けた新しいサポートサービス「セルフ退職ムリサポ!」も展開中であり、労働者が自らの力で退職を決断できるように支援しています。これらの取り組みがより多くの人にとっての「退職」に対する悩み解消の糸口となればと願っています。