堀文子のデカルコマニー展
2025-05-22 12:20:31

孤高の日本画家・堀文子の創作世界を探る「デカルコマニー」展開催

日本画家・堀文子(ほり・ふみこ)の異色の作品群に焦点を当てた展覧会「堀文子のデカルコマニー」が、2025年5月29日から6月18日まで、銀座のナカジマアートで開かれます。この展覧会は、ナカジマアートの30周年を記念する一環として開催され、1960年代に作られた作品を中心に、未発表の作品や書籍の挿絵も展示される予定です。堀文子は1918年に東京で生を受け、長い人生の中で数々の芸術的探求を行い、特にデカルコマニー技法による作品群で注目を集めました。彼女は自ら「画風がない」と語るほど作品は変化に富み、独特なスタイルを持っています。

デカルコマニーとは、絵の具を2枚の紙の間に挟んで押しつけることで、予想外の模様を生み出す技法です。この技法を用いた作品は、意図的に生まれたものではないため、どのような形になるかは偶然に依存します。堀が1960年代に制作したデカルコマニー作品は、旅から得たインスピレーションや自身の内面の探求が反映されたもので、特に彼女の心象風景を描く手法として注目されます。彼女は42歳の時、最愛の夫を亡くした後、約2年半にわたり海外を放浪しました。この旅で感じたカルチャーショックは、彼女の創作へのアプローチに大きな影響を与えました。帰国後には、デカルコマニーという新しい技法に出会い、自分の内面的な感情を表現する手段として活用したのです。

例えば、堀の代表作《チアパスの夜》は、メキシコの印象を基に描かれた大作であり、デカルコマニー技法が駆使されています。また、1965年の初個展「堀文子作品展」に出品された作品群は、当時は商業的に受け入れられにくいものとされましたが、その後彼女の芸術は多くのファンに支持されることとなりました。この展覧会では、初公開の作品も多数展示される予定です。

さらに、堀文子の言葉は、彼女の制作への姿勢や感情を深く理解する手がかりとなります。「自分の中に溜まっていたものが流れ出すように、いくらでも描けた」と彼女が語ったように、制作は彼女にとって心の解放の場でもありました。この展覧会を通じて、観客は堀自身の人生の一部と、その内面的な旅を感じ取ることができるでしょう。

なお、展覧会の開催に合わせて、特別イベント「デカルコマニー 体験教室」も実施予定です。この教室では、堀文子が愛したデカルコマニーの技法を体験する機会を提供し、参加者に新たな創作の楽しみをもたらします。展覧会と体験教室を通じて、堀文子の芸術の魅力に触れることのできる貴重な機会となるでしょう。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。展示や講座の詳細については、ナカジマアートの公式ホームページをご覧ください。


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会社情報

会社名
株式会社ナカジマアート
住所
東京都中央区銀座5-5-9アベビル 3階
電話番号
00-0000-0000

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