太陽光発電の革新
2024-09-04 12:28:14

オンセミが発表した次世代パワーモジュールが太陽光発電を革新する

オンセミの革新的なパワーモジュールが太陽光発電に新たな風をもたらす



最近、米国アリゾナ州に本社を置くオンセミ(onsemi)が新しいパワーモジュールを発表しました。このハイブリッド型パワー統合モジュール(PIM)は、商業規模の太陽光発電用ストリングインバータやエネルギー貯蔵システム(ESS)の性能を向上させることを目指しています。これにより、従来のモデルに比べてより高い電力密度と効率を実現しています。

新たに提供されるF5BPパッケージのモジュールは、同じ面積での電力効率が向上し、ソーラーインバータの合計出力が300kWから350kWに増加します。この成果は、1GW規模の商業太陽光発電所が毎時約2MWのエネルギーを供給し、年間700戸以上の家庭に電力を供給する際のエネルギー節約に繋がるとのこと。さらに、同じ出力しきい値を保ちながら必要なモジュール数を減少させることで、パワーデバイスの製造コストを25%以上削減することも可能です。

太陽光発電は、これまでの低い発電コストの実現を背景に、再生可能エネルギーの中でも急速に普及が進んでいます。しかし、発電の変動性に対応するため、電力会社は大規模なバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を導入するなどして、送電網の安定性を保つ努力をしています。このような状況下で、最大限の効率と信頼性を提供できる電力変換ソリューションが求められています。具体的には、0.1%の効率向上すらも、1GW規模の場合、年間で25万ドルの運用コスト削減に相当するとされています。

オンセミのパワーソリューションズ・グループのバイスプレジデントであるスラヴァン・ヴァナパーティ氏は、「太陽光発電は電力需要が変動するため、システムの効率や信頼性を向上させる継続的な進化が必要です。より効率的なインフラのおかげで、太陽光発電の導入が進み、化石燃料からの脱却が加速されると確信しています」とコメントしています。

新しいF5BP-PIMは、1050VのFS7 IGBTと1200VのD3 EliteSiCダイオードを統合し、高電圧と大電流の電力変換を効率よく行える基盤を提供します。これにより電力損失が低減し、信頼性が向上します。また、FS7 IGBTはターンオフ時の損失が少なく、スイッチング損失を最大8%削減できます。さらに、EliteSiCダイオードは非常に高いスイッチング性能を実現し、前世代モデルに対して電圧の揺らぎ(VF)が15%低下します。

これらのパワーモジュールは、最新の設計を採用しており、インバータモジュールには革新的なI型中性点クランプ(INPC)技術、ブーストモジュールにはフライング・キャパシタ・トポロジが採用されています。この最適化された電気的レイアウトや先進のDBC(Direct Bonded Copper)基板は、浮遊インダクタンスや熱抵抗を低減する効果があります。さらに、銅製のベースプレートにより、熱管理も強化されており、これにより高い動作条件でもモジュールは冷却を維持し、信頼性の高い長寿命を実現しています。

これらの革新により、太陽光発電とその関連システムはますます効率が向上し、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出しています。

関連情報:

オンセミについて



オンセミ(NASDAQ: ON)は、先進的な製品ポートフォリオを通じて、より持続可能な未来の実現に貢献しています。自動車、産業用インフラ、電動化と安全性、持続可能なエネルギーグリッド、5Gなどの分野で積極的に革新を進めています。オンセミは、世界的な課題解決に向けた半導体技術を提供しており、Clean and Green Technologyのリーディングカンパニーとも言えます。


画像1

画像2

会社情報

会社名
オンセミ
住所
東京都品川区大崎2-1-1ThinkParkTower 6階
電話番号
03-6880-1777

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。