西伊豆の自然を生かしたサステナブル・ツーリズムが環境省から評価される

西伊豆のサステナブル・ツーリズム

西伊豆はその豊かな自然環境を生かしたサステナブル・ツーリズムで注目を浴びています。特に、BASE TRESが中心となって展開する取り組みは、観光が自然環境の保全に貢献する新しい形のモデルとして評価されています。最近、環境省が主催する「グッドライフアワード」において、森里川海賞を受賞し、その意義と活動内容が広く知られることとなりました。

BASE TRESの取り組み

BASE TRESの活動は、地域資源を最大限に活用し、持続可能な観光事業を推進しています。特に注目すべきは、以下の３つのメインプログラムです。

1. YAMABUSHI TRAIL TOUR

BASE TRESが提供する「YAMABUSHI TRAIL TOUR」は、1200年以上の歴史を持つ古道を整備したハイキングコースです。このコースは全長約40㎞に及び、初心者から上級者までさまざまなレベルに対応しています。炭焼き用に使用されていたという古道を再生することで、歴史を感じながら自然を楽しむことができます。さらに、このトレイルは森林教育の場としても活用され、自然再生の観点からも大変重要な役割を果たしています。

2. カヤックフィッシング

環境にやさしい「カヤックフィッシング」もBASE TRESの大きな魅力の一つです。足漕ぎ型のカヤックを使用することで、二酸化炭素を排出しないゼロエミッションの釣り体験を実現します。エンジン音がないため、静かな海をゆったりと漕ぎ進むことができ、釣りを楽しむだけでなく、ウミガメなどの海洋生物を観察する楽しみもあります。山と海の自然のつながりを体感しながら、持続可能な釣りを楽しめるという新しいスタイルのアクティビティです。

3. ロッジ・モンド―聞土―での宿泊体験

「ロッジ・モンド―聞土―」は、西伊豆の自然環境に根ざした宿泊施設です。山から伐採した木材を活用した内装や、ウッドボイラーを用いた給湯・暖房システムにより、CO₂の排出を抑えつつ、自然との共生を実感できる宿泊体験を提供しています。体験が一つに繋がり、訪れる人々に持続可能なライフスタイルを促進します。

環境省からの評価

このような取り組みが、環境省から高く評価され、「グッドライフアワード」の森里川海賞を受賞することとなりました。賞の選考基準は、地域資源の活用、普及・汎用性、革新性、継続性の四つであり、BASE TRESはそれぞれにおいて高い評価を受けています。特に、古道の再生から始まった取り組みが、山から海へと一貫して続けられている点が評価されたと言います。

代表取締役・松本潤一郎の歩み

BASE TRESを代表する松本潤一郎さんは、17歳の頃から世界中を旅する傍ら、西伊豆に移り住んでからは地域の魅力を引き出す活動を開始しました。古道の存在を知り、「西伊豆古道再生プロジェクト」を立ち上げ、以降サステナブル・ツーリズムの推進に邁進してきた彼は、2017年にはBASE TRESを株式会社として設立しました。松本さんの情熱と地域への愛が、今の取り組みを生み出しています。