史上最高額で落札!松本竣介の名作とは
2024年7月20日、東京都江東区の株式会社毎日オークションが主催した第787回メインセールオークションが盛況裡に開催されました。今回のオークションは、著名な画家・松本竣介を中心に、多種多様なアート作品が揃い、国内外から多くの参加者が集まりました。
落札総額は約9億5300万円に達し、特に注目を集めたのは、松本竣介の「黒いコート/浴衣の婦人(両面作品)」です。この作品は9200万円で落札され、松本竣介としては過去最高額を更新しました。松本の作品による落札記録は、このオークションで大きく塗り替えられたのです。
オークションのハイライト
第787回メインセールオークションでは、約270点の厳選されたアート作品が出品され、ジャンルも洋画、日本画、現代アートと多岐にわたりました。特に、松本竣介の他にも、藤田嗣治やオーギュスト・ルノアール、また現代アートの巨匠草間彌生といった名だたるアーティストの作品が注目を集めました。
- - 松本竣介「黒いコート/浴衣の婦人(両面作品)」: 落札額9200万円
- - 藤田嗣治「母子像」: 落札額7130万円
- - オーギュスト・ルノアール「南仏風景」: 落札額3680万円
このオークションでは、多くのアーティストが人気を博し、特に松本竣介の作品が高値で取引されていることから、アート市場の活況を示しています。
特徴的な作品「黒いコート/浴衣の婦人」
松本竣介の「黒いコート/浴衣の婦人」は、過去に東京国立近代美術館や岩手県立美術館など、数々の展覧会で紹介されてきた注目の作品です。オークション当日は、多くの入札が行われ、最終的には国内のコレクターが9200万円で落札しました。この落札額は、事前に予測されていたエスティメート4000〜6000万円を大きく上回るものでした。
この作品は、黒い毛皮のコートを着た女性が無表情でこちらを見つめている姿が印象的です。凛とした表情が深紅の背景と相まって、神秘的な雰囲気を醸し出しています。また、松本が関心を寄せていた藤田嗣治の影響が強く表れており、特に顔の造形や、同時期の作品には見られない手袋の表現が目を引きます。
浴衣の女性とその意味
「黒いコート」に加え、作品の裏面には「浴衣の女性」が描かれており、未完と思われるこの作品は松本竣介の技術や感性を知るための貴重な資料といえるでしょう。デザインや色使いは、松本の他の作品に比べて非常に異なる部類に属し、都市風景や洋装の女性が多い彼の作品の中では珍しいテーマです。
文化の架け橋となる毎日オークション
毎日オークションは1973年に創立し、1989年に美術品専門の公開型オークションをスタートしました。これまでに年間30回以上のオークションを開催し、シェア率36.94%を誇る日本最大級のオークションハウスとして、多彩なアート作品を扱っています。アートを通じて文化の継承に貢献することをモットーに、公明正大な取引環境を整え、アートをもっと身近に楽しむ機会を提供し続けています。
今後も毎日オークションは、アートを愛するすべての人々にとって魅力的な場所としての役割を果たし続けるでしょう。