気候変動を乗り越える北海道の新しい食の提案
気候危機が世界中で影響を及ぼす中、北海道・雄武町での漁業が変革の時を迎えています。この地域は近年、海水温の上昇により漁場の環境が変わりつつあり、従来の魚種が減少する一方で、新たな魚種としてにしんやかすべが水揚げされるようになりました。これに取り組む生活クラブ事業連合生活協同組合連合会は、2026年3月より、雄武沖で捕れた新鮮な魚を使用した新メニューを提供開始します。
新しい漁業の形:低利用魚の美味しさを再発見
近年市場では耳にする機会が少なかった「低利用魚」であるかすべは、北海道の方言で「えい」を意味します。この魚は他の漁獲物に引っかかることがあり、そのため利用が進まない背景がありました。しかし生活クラブは、こうした国の生産者が抱える課題に寄り添い、低利用魚を美味しく食べられるメニューを開発しました。ここに新たな価値を見出すことで、持続可能な漁業と地域の食文化を守る試みを進めています。
雄武産にしんの開き干し
まず紹介するのは「雄武産にしんの開き干し」です。このにしんは、頭と内臓を取り除いた後、塩水に漬けて冷風でしっかりと乾燥させて仕上げます。特にこの地域で水揚げされるにしんは脂がのっており、そのコクと旨みが特徴。焼き加減にも注意し、脂が落ちてきたらちょうど良い食べ頃。ぷるぷるとした食感で白ご飯との相性も抜群です。家族みんなで楽しむことができる一品です。
かすべの煮付け - そのユニークな味わい
次にご紹介するのは「雄武産かすべの煮付け」です。この料理は北海道の郷土料理で、かすべのえんがわ部分を使用して煮付けられています。ふっくらとした肉質に加え、豊富なコラーゲンが含まれるこの魚は、口の中で滑らかに広がる食感とともに、コリコリとした軟骨も一緒に楽しむことができます。温めるだけで簡単に食べられるため、忙しい日々のおかずにもぴったりです。
魚とともに持続可能な未来を
雄武町はオホーツク海に面しており、豊かな海の環境が広がっています。海岸線の約35キロメートルの長さをもつこの地域では、流氷が多くのミネラルを運び、健康な海洋生物の育成に寄与しています。雄武漁業協同組合は、環境保全のために「育てる漁業」に取り組み、持続可能な漁業を実現するための様々な活動を行っています。未来を見越した漁業の形は、地域の食文化を育むと同時に、持続可能な社会の実現にも貢献します。
生活クラブについて
1965年に設立された生活クラブは、全国各地で安心・安全な食材を提供する生活協同組合です。組合員数は約42万人に達し、各地域の独自の食文化を大切にしながら、持続可能な社会の実現に貢献しています。これからの時代に必要な食の選択肢を、より多くの人々に広げていくことが求められています。生活クラブは、産地と消費者がつながり、地域ごとの特色を活かした健康的な食生活を推進していきます。
新たな時代の食材として注目される「雄武産にしんの開き干し」と「雄武産かすべの煮付け」。今後の展開が楽しみです。