令和7年3月卒業者の教員就職状況、国立・私立大学院の傾向
教員養成大学・大学院の卒業生就職状況について
文部科学省は毎年、国立の教員養成大学と国私立の教職大学院の卒業生及び修了者の就職状況を調査しています。この調査に基づいて、令和7年3月の卒業者及び修了者の就職状況が報告されました。調査の対象は44の国立教員養成大学や54の私立教職大学院で、この数値からどのような傾向が見られるのかを分析します。
調査結果の概要
まず、国立の教員養成大学において、令和7年3月卒業者の教員就職率は70.7%となり、前年の69.0%からの増加が見られました。卒業者数は10,917人に対し、教員就職者数は6,916人で、前年よりも109人増加しました。このことから、国立大学における教員就職の状況は改善していることがわかります。
一方で、国私立の教職大学院の教員就職率は89.8%に達し、前年の87.8%から2.0ポイント増加しました。修了者数は1,249人で、教員に就職した人数は1,121人です。これは、国私立大学院における教員就職率が非常に高いことを示しています。
教員就職率上昇の要因
国立教員養成大学の就職率は、5年間増加傾向にあり、これまでに様々な施策が実施されています。具体的には、教育委員会との連携や学校体験活動を通じた教職の魅力発信、実習先との密な連携により教育実習の質を向上させています。また、採用試験対策や不合格者へのフォローアップを強化することで、学生の就職成功を支援する体制が強化されています。
国私立教職大学院においても、教員就職率の維持には組織的な支援が功を奏しています。現職教員などの経験者によるサポートや、早期に教職採用試験に関する指導を行うことで、高い就職率が実現されています。
今後の展望
今後、国立教員養成大学の役割はますます重要になっていくと考えられます。特に、「教師不足」という課題が叫ばれる中、国立大学への期待が高まっています。文部科学省は、各大学の成功事例を参考にしながら、教員養成の質の向上を図っていく方針です。また、地域との連携を強化し、教師の資質向上を目指す取り組みも積極的に進められています。
これらの努力がさらなる改善につながることを期待しており、教育界全体の支援が不可欠です。このような状況から、未来の教育を支える教師が一層増えることを願っています。