パーソルテンプスタッフと島津製作所の提携による質量分析技術者育成

パーソルテンプスタッフと島津製作所の合意

2023年10月21日、パーソルテンプスタッフ株式会社が株式会社島津製作所と協業の基本合意を結びました。この合意の内容は、質量分析装置（MS）に関わる技術者の育成とその派遣に特化したプログラムを開発し、運用していくというものです。契約は2年間にわたり、両社は様々な分野での専門人材の育成に注力します。

質量分析技術の重要性

質量分析装置は、分析対象となる物質をイオン化し、その質量を測定することで、試料中の成分を特定するための重要なツールです。2023年の質量分析市場の規模は56億米ドルに達し、2031年までには128億米ドルになると予測されています。価格や操作性の改善に加え、医薬品開発や環境分析、食品分野など、その利用範囲は拡大しています。

合意の背景

しかし、高度な質量分析技術に基づく測定手法の利用が増える一方で、その操作やデータ解析に必要な専門知識を持つ人材の不足が深刻な問題になっています。生産性向上を目指す企業や研究機関にとって、質量分析装置の活用は避けて通れない道となっていますが、人材不足がその普及を妨げています。これに応えるため、パーソルテンプスタッフは質量分析技術者の育成に着手することとなりました。

プログラム内容

双方の協力により、島津製作所が質量分析技術者育成のプログラムを開発します。このプログラムは、パーソルテンプスタッフの技術社員を対象に、京都と川崎の拠点で直接指導が行われます。質量分析の知識を身につけた技術社員は、大学や研究機関などのユーザーに派遣される予定です。

具体的には、質量分析装置の操作法からデータ解析、条件設定に至るまで、包括的な知識を提供します。また、パーソルテンプスタッフは、派遣される社員がどのように業務を進めるかについてもトレーニングを行います。

労働市場への影響

今後、育成された技術者は、多くの研究開発分野で活躍することが期待されています。このプログラムは、専門知識を持った技術者の数を増やすことで、労働市場における価値を向上させ、日本の研究開発力を強化することを目指しています。

パーソルテンプスタッフは、技術者にとってのキャリアアップの機会を提供し、日本の研究機関への質の高い人材供給を通じて、持続可能な社会の実現にも寄与する姿勢を見せています。

企業紹介

パーソルテンプスタッフ株式会社は、派遣業務のみならず、紹介予定派遣やアウトソーシングといった広範な人材サービスを展開しています。グループビジョン「はたらいて、笑おう。」のもと、雇用や労働に関するさまざまな課題を解決し、持続可能な社会の構築を目指しています。これにより、今後も質量分析の現場に必要な人材育成を推進していきます。