2025年度、本格焼酎と泡盛の輸出実績が発表され、輸出金額と数量が共に前年度を上回る結果となりました。日本酒造組合中央会(中央会)の資料によると、輸出総額は15.6億円、数量は1,752キロリットルに達し、前年同月比で116%の成長を見せました。この成長は、コロナ後の世界経済の回復に対する期待感や、特にアジア市場での需要の高まりによるものです。
輸出単価も過去最高に達し、1リットルあたりの単価は890円と、2022年度から16.5%上昇しました。これは、蔵元による海外マーケット向けの新たな品質やデザインの商品開発、また熊本国税局が新設した酒類鑑評会「チャレンジの部」の取り組みなどが功を奏しているからでしょう。
しかし、本格焼酎と泡盛の海外市場での認知度は依然として低く、輸出総額は日本酒の459億円の3.4%に過ぎません。特に中国市場においては、4.3億円を記録し、前年から103%の成長を示しました。これは中国国内での蒸留酒「白酒」の認知度が高まるなか、より低アルコールの本格焼酎や泡盛に対する関心が高まった影響が大きいです。
アメリカや韓国の市場も急成長しています。アメリカでは、権限の改正により、アルコール度数の低い本格焼酎が飲料として広く知られるようになり、その結果、輸出額は4.1億円に達しました。韓国でも、観光などを通じて本格焼酎の認知が広がり、輸出金額は2.3億円と前年比133%の成長を記録しています。
さらに台湾や香港を含む東南アジア地域でも、安定した需要を維持しており、今後の成長に寄与すると期待されています。国際酒類見本市への出展やバーを対象とした専門家の育成など、中央会は積極的に本格焼酎・泡盛の輸出拡大に取り組んでいます。特にSNSを活用したデジタルマーケティングによる情報発信も強化し、次世代のファン層を育成する試みにも力を入れています。
今後は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」による文化的価値をさらに強調し、持続可能な成長を実現するよう努めます。日本独自の製法である単式蒸留は、国際市場における差別化要素として大きな強みとなるでしょう。政府も2030年までに輸出額を50億円に達成する目標を掲げており、中央会はこれを見据えた総合的な戦略を進めていきます。
国際市場での本格焼酎・泡盛のさらなる成長を実現するためには、市場特性に応じた地域戦略と共に、バーテンダーなどの専門家ネットワークの形成も重要です。これにより、カクテル市場へと浸透し、需要の拡大を図ることが期待されます。