岡山大学、大学見本市2024での出展
国立大学法人岡山大学(学長:那須保友)が、2024年8月22日から23日にかけて東京ビッグサイトで開催された「大学見本市2024」に参加しました。このイベントは、全国の大学や公的研究機関が保有する技術や研究成果を企業関係者にアピールし、産学連携を促進することを目的としています。
岡山大学からは、学術研究院環境生命自然科学学域の深野秀樹教授と山口大介助教が技術内容に関するポスターセッションおよびプレゼンテーションを行い、企業との相談の場を持つことができました。この機会を通じて、企業と研究者が共に立ち上がる新たな共同研究の可能性が探られました。
微細な温度センサー技術の紹介
深野教授が紹介した技術は、光ファイバを活用した新たなレーザ加熱治療器。このシステムは、極細の光ファイバの先端部において2つの反射光を生成し、特定の波長の光を利用して高感度に温度を測定することができる新技術です。がん治療や繊細な部位に向けた治療法において、温度制御が重要となる場面での活用が期待されます。
環境負荷の小さいレーザ溶着技術
一方、山口助教が提案したのは、接着剤を使わないスーパーエンジニアリングプラスチック用のレーザ溶着技術です。この技術は、従来の方法に比べて電力消費が少なく、環境への影響を軽減しながら強力な接合を実現できるというもので、特に電子機器向けのフィルムにおける適用が期待されています。
このように、岡山大学が見本市を通じて提示した新技術は、医療から電子機器まで幅広い分野での革新に寄与することを目指しています。
産学連携の促進と今後の展望
岡山大学は「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択され、「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」を目指しています。東京時の出展は、大学が持つ技術力を対外的にアピールする有意義な機会であり、これからも企業との連携を強化しつつ、社会に対する貢献を進めていく方針です。
最終日には、文部科学省のあべ俊子副大臣も視察に訪れ、技術のプレゼンテーションや意見交換が行われました。岡山大学はこれらの活動を通じて地域社会との共育共創を進め、継続的に社会変革を推進していく意向を示しています。
今後も、大学はイノベーションの担い手として注目を集め、さまざまなイベントに積極的に参加していくことでしょう。岡山大学の取組に、ぜひ期待してください。