ロッテホールディングスが新設したヘルスケア・バイオ医薬コーポレート・ベンチャー・キャピタル
株式会社ロッテホールディングスは、グループ内でヘルスケア・バイオ医薬領域に特化したコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を新たに設立しました。この新組織は、バイオ医薬品および次世代抗体医薬の開発を目指し、スタートアップ企業への投資を行うことで、ロッテグループの成長戦略に寄与することを狙いとしています。
ロッテグループは、ヘルスケア・バイオ医薬分野を新たな成長事業として位置付け、2022年にはロッテホールディングスとロッテコーポレーションの共同出資により、医薬品開発製造受託(CDMO)企業であるロッテバイオロジクスを設立。これにより、バイオ医薬事業への参入を果たしました。
新たに設立されたCVCは、先端バイオ医薬や抗体医薬品、抗体薬物複合体(ADC)、さらには核酸医薬、再生医療、遺伝子治療などの革新技術を持つスタートアップへの投資を推進します。また、バイオ医薬品を支えるための関連技術の開発に力を入れている企業の支援も行う予定です。
このCVCは、ロッテホールディングス顧問のペク・ジュン(Dr. Joon Paek)がその運営を担当し、ロッテバイオロジクスや他の専門家との協力を通じて、投資資金の提供だけでなく、技術開発や製造サポートなどの支援も行います。ペク・ジュン顧問は、京都大学及びブラウン大学の博士課程を修了した後、バイオ医薬業界での専門的な経験を積んできました。
ロッテホールディングスは、今後も世界中の有望なアントレプレナーやスタートアップ企業を支援し、健康社会の実現を目指していくとしています。CEOの玉塚元一は「日本と韓国の資源を掛け合わせ、グローバルに成長していくためにチャレンジを続ける」と述べており、CVCの設立がイノベーションを促進し、未来の成長を支える基盤となることを期待しています。
今後の展望
ロッテホールディングスのヘルスケア・バイオ医薬への投資戦略は、ただの資金提供に留まらず、企業育成を通じた付加価値の創出を目指しています。これにより、国内外でのスタートアップとの連携を強化し、業界の発展に寄与することを目標としています。
現在、ロッテバイオロジクスは韓国のソウルを拠点に、バイオ医薬品の製造とサービスを展開し、さらに仁川に新たなバイオ医薬生産拠点を建設中です。これらの取り組みを通じて、ロッテグループはヘルスケア分野での競争力を高め、未来の市場におけるリーダーシップを確立する考えです。
ロッテホールディングスによる新CVC設立は、ヘルスケア・バイオ医薬分野における新たなスタートを切る契機となり、今後の動向が注目されています。ロッテグループは、より健康的な世界を実現するために、積極的な投資と連携を進めていくでしょう。