メンタルヘルスを支える「Wemental」が補助金を獲得
日本では労働者の大多数が職業生活において不安やストレスを抱えている現状があります。そこで、メンタルヘルス支援を目的としたアプリ、
「Wemental」が、経済産業省が行う「先端技術活用メンタルヘルスサービス開発支援事業費補助金」に採択されたことが発表されました。
現状の課題と「Wemental」の役割
厚生労働省の調査によれば、日本の労働者の約80%が職場のストレスを感じているとのこと。このストレスは、モチベーションや生産性の低下、さらには離職や休職を招く要因となっています。このような背景を受け、「Wemental」は企業が従業員の心の健康を保つ手段として注目されています。
「Wemental」は、
早稲田大学の熊野宏昭教授の監修を受け、認知行動療法(CBT)を基にしたメンタルヘルスケアの手助けをするアプリです。利用者は自身のストレスを自己評価し、音声バイオマーカーを用いて生理的なストレス分析が可能です。これにより、ストレスタイプに合った個別トレーニングを提供し、ストレス抵抗力の向上をサポートします。
アプリの特長と開発背景
「Wemental」は様々な先端技術を活用しており、特に以下のポイントが評価されました:
- - 科学的根拠:熊野教授の研究に基づき、実践的なアプリ機能を実装し、早期介入や予防的アプローチが行えるようになっています。
- - パーソナライズ機能:特許を取得した技術を用いて、認知行動療法に基づく最適なケアを個々に提供します。
- - 心理的ストレスの可視化:パルスサーベイ機能を搭載し、心理的ストレスを可視化。ユーザーは、自覚しにくい生理的ストレスも測定可能です。
- - 改善効果の証明:概念実証(PoC)やフィージビリティスタディを通じて、主観的なストレスが改善されることが確認されています。
EPNextSとロゴスサイエンスの連携
このプロジェクトは、
株式会社EPNextSと
ロゴスサイエンス株式会社のコラボレーションによって進行しています。両社は2023年3月に資本提携を結び、メンタルヘルス領域における戦略的パートナーシップを形成しました。この提携により、「Wemental」の開発が加速される見込みです。2024年11月からはアプリの開発体制がEPNextSに移行され、産学共同による機能強化を進めていきます。
今後の展望
「Wemental」採択を受けて、EPNextSとロゴスサイエンスは、さらなるサービスの向上とUXの改善に取り組み、より多くの企業が心の健康に投資できる環境を整えていく予定です。ヘルスケア領域での豊富な知見を生かし、中小企業を含む多くの組織に健全な働き方と生産性の向上をもたらすことを目指します。
まとめ
「Wemental」は、ただのアプリにとどまらず、心の健康促進のための重要なツールとしての役割を果たします。今後の展開が期待される中、企業と従業員双方にとっての新たな支援の形が生まれようとしています。今後の動向を見守りたいと思います。