感じざるを得ない、町田と相模原の怪異の世界
東京都町田市、神奈川県相模原市は、100万人以上が住む首都圏の重要なベッドタウンです。しかし、そこには日常生活にさりげなく潜む怪異も存在します。著者の神沼三平太氏による新たな怪談集『町田相模原怪談』は、この地で目撃された恐ろしい物語を集めた一冊です。
怪異の不思議な体験
作品には、町田市と相模原市の様々な場所で実際に体験された怪異が多数掲載されています。たとえば、町田駅前のビルに現れる「赤い服の女の霊」。そのビルには多くの人が出入りしていますが、その影に隠れる恐怖は、想像以上です。
また、相模大野の公園には「見ると死ぬ女」と呼ばれる女の幽霊の噂が広がり、これを知った若者が遭遇した運命は絶望的なものでした。人々は恐怖心からこの場所を避けるようになったと言います。
さらに、知らない間に生者を狙って引きずり込む「ホーム下」や、学生が体験した部屋を突如訪れる妖怪「通りもの」の話なども収められています。これらの話は、地元で実際に起きたことなのか、ただの作り話か、判別がつかないほどリアルです。
特異な怪異が逆に多様性を生む
物語は次々と続き、成瀬駅のそばで目撃されたという「ついてくる」という黒い異形や、最凶心霊スポットで知られる宮ヶ瀬に棲む妖怪「川天狗」の恐怖など、バラエティ豊かです。どの話も不気味な詳細が散りばめられており、読む者を不安にさせます。
限定特典も要チェック
この書籍は特典も魅力で、未収録の書き下ろし短編が含まれた特典ペーパーが、いくつかの書店で配布されます。たとえば、久美堂では「町田で起きていた不思議な話」などの特典が用意されています。他の書店では、場所に応じた特典が異なりますので、是非、購入を考えている方はチェックしてみてください。
書誌情報
『町田相模原怪談』は、2025年10月29日に発売される文庫本で、224ページ、価格は730円(税抜き)です。作者の神沼三平太氏は、茅ヶ崎市出身で現在は相模原市在住の怪談作家で、数々の怪異体験を蒐集しています。
この本は、単なる怪談集ではなく、地域の歴史や文化と密接に関わっており、地元の人々にとっては特に興味深い内容が詰まっています。これからの季節、心霊スポット巡りに出かける際には、ぜひこの本を片手に、自身の体験を深めてみてはいかがでしょうか。