金春流の秘曲『関寺小町』特別公演に向けた注目の上演情報

金春流秘曲『関寺小町』の特別公演が迫る！

2025年12月14日（日）、東京都渋谷区にある国立能楽堂で、金春流の特別公演『金春円満井会特別公演』が開催されます。この公演では、金春流が一子相伝として大切に伝えてきた秘曲『関寺小町』が上演されます。

『関寺小町』について

『関寺小町』は、極めて稀な能楽の演目であり、明治以降の上演回数はわずか4回という珍しさを誇ります。江戸時代の六徳本に基づいて演出され、1800年代以前から継承されてきた金春宗家の伝統が色濃く反映されています。本公演では、最初から最後まで、その成り立ちを忠実に再現することが目的です。

上演の意義

この公演は、公益社団法人金春円満井会が創立40周年を迎える記念の年に行われるもので、金春流の実力者たちが集結し、舞台に華を添えます。主人公であり100歳の小野小町は、80世金春安明が演じることが決定しています。多くの方々が注目するこの公演は、伝統文化を次世代へと伝える重要な機会でもあります。

あらすじの紹介

『関寺小町』の物語は、七夕の夜に関寺の僧侶が稚児と共に、藁屋に住む和歌に秀でた老女のもとへ訪れるところから始まります。やがて、その老女こそが小野小町であることが明らかになります。彼女は過去を懐かしみつつも、老いと世の無常を嘆くのですが、僧侶の勧めによって稚児と共に舞を舞うことになります。しかし、夜が明けるにつれ、彼女は自らの老いを恥じ、杖に頼りながら元の藁屋へと戻っていきます。