シェーグレン症候群の実態
2025-04-25 15:37:13

シェーグレン症候群の実態調査結果と患者の声が示す新たな課題

調査の概要


株式会社ケアネットと株式会社マクロミルケアネットは、シェーグレン症候群に関する詳細な実態調査を実施しました。この調査は、一次性シェーグレン症候群の患者71名と治療に関与する医師183名を対象に行われ、それぞれの経験や意見を集めたものです。

確定診断までの道のり


調査結果では、患者の多くが確定診断を受けるまでに複数の医療機関を巡ることとなる現状が明らかになりました。初めて受診してから診断が下るまでの間に、1施設のみを受診したという患者は25%に過ぎず、75%は2施設以上を訪れました。中には、受診初期から確定診断を得るまでに1年以上要している患者も存在し、その割合は21%にも上りました。

この結果は、シェーグレン症候群が持つ症状の多様性によって患者自身がどの診療科を訪れるべきかを判断するのが難しいためと考えられています。実際、医師への調査でも、「症状発生からの受診が遅い」と感じる患者が約40%に達することが報告されました。

シェーグレン症候群の多様な症状


シェーグレン症候群の患者が報告した症状の代表例としては、「口の乾燥」と「目の乾燥」がともに82%と高い割合を示しました。さらに、皮膚の乾燥、全身倦怠感、気道の乾燥、関節・筋肉の痛みなどが続き、これらが患者の生活の質(QOL)に著しい影響を及ぼしていることも確認されました。

具体的には、31%の患者がQOLが低下したと感じており、食事や外出に支障をきたしていると答えた患者も相次ぎました。特に「外出しにくくなった」との回答には28%が該当し、これも患者の社会的な活動に大きな制約を与えていると言えるでしょう。

治療に対する不満


調査によれば、シェーグレン症候群に対する治療に対して、83%の患者が「根本治療がない」ことを不満に思っていることがわかりました。その他にも、定期的な検査が必要であることや経済的負担の大きさ、複数の診療科を管理する必要があることに不満を抱えています。

疾患に対する周囲の理解不足


また、患者の6割以上は「周囲の疾患に対する理解不足」と「日常生活への影響」に不満を表明しました。医師たちも、この疾患に関して満足度が低い状況にあります。実際、医師調査では治療方法の効果が不足していると感じる医師が多いことが示されています。

進行への不安と心理的負荷


加えて、63%の患者が膠原病や自己免疫性疾患の発症について不安を抱えており、61%は病態の進行や合併症への懸念を示しています。さらに、自分の症状を周囲に説明することに対する嫌悪感や、治療の自信を失う瞬間もあるといった声が上がっています。

結論


今回の調査により、シェーグレン症候群が持つ複雑さと、患者が抱えるさまざまな困難が明らかになりました。医療の現場においては、早期診断の重要性や疾患に対する理解を深める啓発活動が急務とされています。ケアネットとマクロミルケアネットは、これらの実態を広く共有し、今後も患者と医師の実態調査を継続していく考えです。これによって、より良い医療を実現する一助となることが期待されます。


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会社情報

会社名
株式会社ケアネット
住所
千代田区富士見1-8-19 住友不動産千代田富士見ビル
電話番号

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