DHCが提案するオリーブの新たな可能性
株式会社ディーエイチシー(DHC)は、オリーブを原料として新たな独自成分『オリーブ発酵液』を開発しました。この成分は、オリーブ果実の搾油後に残る部分を発酵させて得られ、化粧品の原料としての価値を高めています。
次世代オリーブ原料の創出
DHCは1980年に「DHC オリーブバージンオイル」を発売以来、オリーブ成分の研究を続けてきました。次世代のオリーブ原料を目指して、微生物の力である発酵に焦点を当て、このプロジェクトが立ち上がりました。特に注目されたのは、搾油後に残る果実部分です。これは、ポリフェノールなどの有用成分が豊かで、発酵によって新たな機能をもたらす可能性があると考えられています。
有用成分の発見
研究チームは、発酵処理を施した結果、オリーブ由来のポリフェノールであるヒドロキシチロソール類の含有量が発酵前と比べて1.31倍に増加することを明らかにしました。この成分は高い抗酸化活性を持ち、肌の健康に寄与することが期待されています。また、発酵過程で抗酸化活性が1.33倍増加していることが確認され、これは皮膚の老化を防ぎ、ハリや弾力を保つ手助けとなるでしょう。
発酵の科学的な評価
DHCの研究によると、オリーブ発酵液が皮膚線維芽細胞を酸化ストレスから保護する効果も確認されました。具体的には、過酸化水素によるDNA損傷から細胞を守り、老化を防止する可能性が示されました。また、オリーブ発酵液を配合したローションを試作し、紫外線誘導による皮膚表面の酸化ひいてはカルボニル化の抑制効果も確認されています。
サステイナブルな取り組み
この研究は、オリーブの持つ力を余すことなく活かし、アップサイクルの観点からも重要です。搾油後の果実を再利用することで、環境への負荷を軽減しながら、新たな価値を創出するこのアプローチは、今後の化粧品業界におけるサステイナビリティの一例とも言えます。
今後の展開
DHCは引き続きオリーブの研究を進め、次世代の化粧品原料の開発へとつなげていく方針です。新たに発見された『オリーブ発酵液』には、化粧品成分としての大きな将来性が感じられ、消費者にとっても新たな期待が寄せられています。この革新的な研究がもたらす恩恵に、今後も注目していきましょう。