近年、男性がメイクや化粧を行うことに対しての意識が徐々に変化してきています。マイボイスコム株式会社が2024年8月1日から7日の間に実施したインターネット調査によると、調査対象者の約53%が「個人の自由だと思う」と回答し、また、約17%が「その場の状況にあっていれば、男性のメイク・化粧に違和感はない」という意見を持っていることがわかりました。
この調査をもとに、最近の化粧品使用状況や、男女による化粧品への意識の違いを見ていきましょう。まず、使用しているスキンケア用品・化粧品に関するデータを見てみると、「洗顔料」は56.2%と最も多くの人が利用し、次いで「化粧水、ローション」が42.5%という結果になりました。特に女性はほとんど全員が「洗顔料」と「化粧水」を使っており、化粧の基本としての重要性が浮き彫りになっています。
一方、男性の場合、「洗顔料」の使用率は約35%で、「化粧水、ローション」が16%前後にとどまっています。しかし、特に10代から30代の若い男性の間では、洗顔料の利用が増加しており、この世代は女性と同様にスキンケアに対する意識が高くなっています。
スキンケア用品や化粧品を選ぶ際のポイントとして、男女共に「肌との相性」と「使用感」を重視する傾向があり、それぞれ50%以上の人がこれらを選定基準に挙げています。ただし、効能や効果については、男性の方がより強く意識していることが特徴的です。
また、化粧品の購入場所についてはいちばん多いのがドラッグストアで、63.8%の使用者がここで購入していると答えました。インターネット通販は33.6%で、特に女性40~60代の層では半数近くがオンラインでの購入を選択していることがわかります。
気になる男性のメイクに関する意識についても調査されており、53.1%が男性の化粧は「個人の自由」と回答しています。この結果から、社会的な偏見や批判が減りつつあり、男性が化粧を楽しむ環境が整いつつあることが伺えます。しかし、「その場の状況にあっていれば」という考えを持つ人も少なくなく、個々の受け入れ方には差が見られます。
年齢層による意識の違いも興味深いものです。特に女性10~30代は、男性の化粧を肯定的に受け止める傾向があり、約25%がそう考えている一方で、50代以上ではその割合が10%未満に留まります。これは世代間での価値観の違いを反映していると言えるでしょう。
全体的に見ると、化粧に対する表情が男性にも広がりつつあり、周囲の理解も深まっています。成長するメンズコスメ市場において、今後さらに多様な製品が登場し、男性のスキンケア文化が発展することが期待されます。そして、化粧品選びは今後ますます個人の自由とされ、性別に関わらず多様なスタイルが受け入れられる時代が来るのかもしれません。