新たな顧客戦略「LTVマーケティング」
三菱総合研究所(MRI)が、顧客ロイヤルティを科学的・定量的に向上させる新しいコンサルティングメニュー「LTVマーケティング」を今月より提供開始しました。このサービスは、Life Time Value(LTV)に基づくマーケティングの最適化を図るもので、企業が顧客との関係を深め、持続的な収益を実現することを目的としています。
背景
近年、国内リテール市場は人口減少や経済の成熟に伴い、急成長が困難な状況にあります。企業は新規顧客の獲得から、既存顧客の維持・育成へと戦略をシフトさせる必要があります。この流れの中で、顧客一人ひとりの将来的な価値を見極めるLTVが、ますます重要な指標として注目されています。多くの企業が中期経営計画や顧客戦略に「LTV最大化」を掲げていることが、その証拠です。
LTVマーケティングサービスの特長
MRIが提唱する「LTVマーケティング」には、企業がLTVを最大化するための4つのステージが設定されています。このステージは、戦略の立案から実際の施策実行までを網羅し、以下の通り定義されています:
1.
ステージ1:LTVを戦略や計画に組み込む段階。ここで多くの企業は、実際の施策に繋げられずに留まることがあります。
2.
ステージ2:実績に基づく評価を行うプレLTVマーケティングの段階で、共通ポイントやマイレージプログラムが例に挙げられます。
3.
ステージ3:セグメント単位でのLTVの予測を行い、顧客に割り振る段階。
4.
ステージ4:個々の顧客特徴に基づく1to1 LTVマーケティングに至り、顧客毎の行動や価値を最大限に活用する施策が可能となります。
このように、ステージ毎に異なるニーズに応える一連のメニューが揃っており、どのステージからの導入でもサポートが可能です。また、「LTVマーケティング」を導入することで、施策の無駄を省き、必要な顧客への適切なアプローチが実現できます。
今後の展望
MRIは「LTVマーケティング」を通じて、データに基づくより高度なマーケティング支援を推進する計画です。特に、ステージ4での個別対応の精度を高めるために、東京大学の阿部誠教授による最新の統計モデル(Abeモデル)の採用が予定されています。このモデルは、実際の取引データを解析し、高精度なLTV予測を行うことが可能です。実施した研究では、相関係数0.9以上の高い予測精度が確認されており、実務への適用が期待されています。
今後、MRIの「LTVマーケティング」を活用することで、各企業はさらに効果的な顧客戦略を打ち出し、競争優位を築くことができるでしょう。
お問い合わせ
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この新しいサービスが、企業のマーケティング戦略に革新をもたらすことを期待しています。