金融仲介機能向上に向けた金融庁の取り組み：プログレスレポートが示す地域金融機関の役割

地域経済を支える金融機関の役割：金融庁が描く未来像

金融庁は、地域金融機関が担う金融仲介機能の強化に向けた取り組みを「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」として公表しています。本レポートは、2019年度から毎年発行され、地域経済の活性化を図る上で重要な役割を担う地域金融機関の現状や課題、そして金融庁による支援策を詳細に示しています。

近年、物価高騰や人手不足などの影響で事業者を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。こうした状況下で、地域金融機関は、取引先企業の経営課題解決を支援することで、地域経済の持続的な成長に貢献することが期待されています。

プログレスレポートが示す課題と対策

2023年度版のプログレスレポートでは、地域金融機関による事業者支援を強化するための6つのカテゴリーが設定されています。

1. 地域銀行による顧客の課題解決支援の実態把握: 地域金融機関が顧客の課題を深く理解し、適切な支援を提供できるように、実態調査や情報共有の促進を図ります。
2. 事業者支援の課題と地域での連携促進: 地域金融機関、自治体、商工会議所など、地域の関係機関との連携を強化することで、事業者支援をより効果的に行うための体制構築を目指します。
3. 事業者支援能力の向上: 地域金融機関の担当者の専門性を高めるための研修や情報提供など、事業者支援能力の向上を支援します。
4. 多様な支援ニーズへの対応: 資金調達だけでなく、経営相談や販路開拓など、事業者の多様なニーズに対応できるよう、支援メニューの拡充を図ります。
5. 事業性融資の推進: 事業の成長性を重視した事業性融資を促進し、地域企業の成長を後押しします。
6. ガバナンス・人的資本、地域課題解決支援: 地域金融機関のガバナンス体制強化や人材育成を支援することで、地域課題解決への貢献を促進します。