川田工業、富山にロボット自動塗装実験棟を設立
川田工業株式会社が、富山県南砺市にある同社の工場に国内最大級のロボット自動塗装実験棟を開設しました。この新しい施設では、自走式の自動塗装ロボットを導入し、効率的な塗装作業を実現します。
自動塗装に向けた新たな挑戦
この実験棟は、特に鋼製製品に重点を置いたもので、川田工業の自社製品である合成床版「SCデッキ」を中心に塗装テストを行います。そして年間を通じて変化する環境温度や湿度に影響されることなく、常に高品質な塗装が行えるノウハウも構築していく予定です。
最大の特徴は、この実験棟が全長約300平米という広大な施工面積を持ち、塗装作業を2時間足らずで終えることができる点です。この塗装ラインの自動化により、大幅な生産性の向上が期待されます。
人手不足に挑むロボットの導入
川田工業は、熟練職人による従来の労働力不足問題に直面しています。特に自社工場では、単調で負荷の高い作業が要求されており、この課題を克服するためにロボットの導入が急務となっています。熟練工が志向する技能を維持しながら、AIやデジタル技術を活用した新しい職域の創出が求められる時代です。
現在、川田工業の富山工場では塗装作業におけるブレが生じることなく、職人の技術を持つロボットでそれに代替することを目指しています。これにより、労働力不足を解消しながら、塗装品質を一定に保つという高度な課題に取り組んでいくことが可能になります。
今後の展望
川田工業は、この新たな自動塗装ラインを用いて実験棟内で行われる各種テストを通して、さらなる生産効率化を図ります。特に、今後は塗膜の厚さを自動で検査するロボットの開発も進める予定で、精度の高い品質管理を自動化し、塗装の均一性を向上させていく方針です。
また、今後は生産管理システムとの連動により、作業進捗を遠隔地からでも確認できるようにすることを目指しています。少子高齢化が進む中、川田工業は、ロボットやAIを駆使して、さらなる生産性向上と顧客品質の向上を実現していくとしています。
まとめ
川田工業が取り組む新たなロボット自動塗装ラインの導入は、製造業のデジタル化を加速させる重要な一歩です。鋼構造製品の自動塗装において国内最大級の施工面積を誇るこの実験棟によって、業界全体への良い影響が期待されます。今後の進捗から目が離せません。