2022年税理士年収調査最新結果と開業の実態を探る

税理士年収調査の詳細

2022年8月に実施された税理士に関する調査結果を元に、税理士の年収の実態を詳しく分析します。厚生労働省が公開する「賃金構造基本統計調査」の結果を基に、税理士と公認会計士の年収が一括りにされている問題点にも触れつつ、実際の年収の傾向を掘り下げていきます。

1. 調査の背景

厚生労働省の統計データによると、令和3年度の公認会計士と税理士の平均年収は約658万円です。しかし、このデータには職種固有の情報が欠けており、両者の職域の違いや年収の実態が見えにくいという課題があります。そこで、税理士個別の年収データを収集し、より具体的に把握するための調査が行われました。

2. 年収の職種別比較

調査に基づくと、税理士業界での年収は職種によって大きく異なることがわかります。特に「会計事務所・税理士法人」に勤務する職員の平均年収は560万円であり、最も低い結果を示しました。一方、コンサルタントやアドバイザー職は722万円と高く、年収には大きな差が見られました。また、東京で勤務する場合、平均年収が10％から20％程度上昇する傾向も確認されています。

3. 社員税理士の年収と開業税理士の現状

日本税理士会連合会による研究では、社員税理士の平均年収は886万円で、700万円から1,000万円の層の比率が高いことが特徴です。対照的に、開業税理士の平均年収は744万円であり、多くが300万円以下という現実もあります。開業税理士がより高い年収を得るためには、売上の向上が必要ですが、事務所の維持や人件費が利益を圧迫しています。