ロート製薬株式会社が新たに開発したヘアカラーシステムが、国際的な舞台で注目を集めています。このシステムは、特定のカチオン性ポリマーを配合したシャンプーを使用した後、DHIと呼ばれる5,6-ジヒドロキシインドールを活用することで、高い安全性と優れた染色性、多彩なカラーバリエーションを実現しました。
この革新的な取り組みは、2024年10月にブラジルのイグアスで開催される「第34回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)イグアス大会」にて披露される予定です。発表された研究の中でも、特に注目を集める内容として位置付けられており、全688件の研究報告の中でトップ5に選出されました。これは、ロート製薬の科学者たちが積み上げた研究の成果が国際的にも高く評価されている証左です。
発表の背景
シャンプーの後に使用するヘアカラー剤は従来、酸化染毛剤に頼るため、過酸化水素やアルカリ剤が含まれています。このような成分は、髪へのダメージやアレルギーのリスクを引き起こすことが知られています。ただし、ロート製薬は、ユウメラニンの前駆体であるDHIに着目し、この課題への新たな解決策としました。
研究の成果
本研究の核となるアイデアは、DHIの発色を促進するために毛髪表面をカチオン性ポリマーで処理することです。これにより、ゼータ電位が向上し、染色性が高まることが確認されました。さらに、カチオン性蛍光色素を用いて染色した結果、処理後の毛髪表面の輝度が顕著に低下したことから、ポリマーが静電的に吸着していることが示されました。これにより、DHIと塩基性染料、HC染料を組み合わせることで、黒からライトブラウンまでの多彩な色合いを創出することに成功しました。
今後の展望
この新しいヘアカラーシステムは、特定のカチオン性ポリマーを使用することで、安全性と染色性に優れた特長を持っています。従来の染毛剤にアレルギー反応を示す人々にとって、新たな選択肢を提供することが期待されます。ロート製薬は、今後も研究を進め、さらに世界中の人々の美容と健康をサポートするために貢献していく考えです。これは、若々しさを保ちたいと考える全ての人々への新たな手段となるでしょう。
企業情報
ロート製薬株式会社は、大阪府大阪市に本社を構え、大阪・関西万博において「大阪ヘルスケアパビリオン」のスーパープレミアムパートナーとしても知られています。これからも、同社の革新的な取り組みに注目が集まることが期待されます。