銀行サービスの進化を支える五常・アンド・カンパニー
2024年11月、五常・アンド・カンパニー株式会社がタジキスタンの商業銀行、CJSC Bank Arvandの発行済株式の9.0%を取得したと発表し、注目が集まっています。この出資は、五常にとってタジキスタンでの2度目の投資で、前回の2021年に現金取扱マイクロファイナンス機関Humoへの出資に続くものです。
Arvandは2019年に銀行免許を取得し、現在はタジキスタンで4番目の規模を誇る金融機関として成長してきました。五常は、中小零細事業者や個人に対する金融包摂の推進を目指し、Arvandとの提携を深めることで、地域の経済や社会の成長に寄与することを目指します。
Arvandの取り組み
CJSC Bank Arvandは、無担保融資を通じて低所得世帯や中小零細事業者の生活水準向上に貢献しています。2024年12月時点では、営業貸付金が約1,700億円に達するなど、急成長を遂げています。また、融資だけでなく、預金や送金、オンラインバンキング、為替取引、ATM、決済など幅広い金融サービスを提供しており、特にデジタルサービスの導入に力を入れる姿勢が特徴的です。
特に、65%以上の取引がデジタルチャネルを通じて行われていることからも、Arvandのデジタル・トランスフォーメーションへの積極的な取り組みが伺えます。また、金融リテラシーに関するトレーニングやコンサルティングサービスも展開しており、顧客の経済的な自立支援にも寄与しています。
期待される展望
ArvandのCEO、Shoira Sodiqova氏は、「五常からの出資は、私たちが築いてきた信頼の証であり、金融サービスへのアクセスがなかった人々にも支援を行うという私たちの努力が国際的に評価された結果だと考えています。五常と共に、より多くの顧客に金融機会を提供し、持続可能な金融包摂のリーダーとしての地位を確立していきたい」とコメントしています。
五常のPrincipal & Head of VCであるSohil Shah氏は、タジキスタンの中小零細事業者からの信頼を受けて、Arvandとのパートナーシップを締結できることを光栄に感じています。現在の安定した規制環境を背景に、五常はArvandの成長を支援する意向を示しています。
オランダやベルギーの社会的インパクト投資家からの株式取得に加え、五常の出資は、Arvandの自己株式を一層強固にする一手となります。
CJSC Bank Arvandの魅力
CJSC Bank Arvandは、タジキスタンの金融包摂の重要なプレイヤーであり、質の高い金融サービスを提供することで、地域の経済成長を促進することを使命としています。2024年12月時点で、約70のサービス拠点と900名の従業員を擁し、31.7万人を超える顧客に対して様々な金融サービスを提供しています。中でも、融資顧客の42%が女性であり、融資相手の70%以上が農村部に住んでいることから、エコノミーの多様性や包摂性を支援しています。さらに、融資債権の10%をグリーンファイナンスに充てるなど、持続可能な経営にも努めています。
このような背景を持つ五常・アンド・カンパニーとCJSC Bank Arvandの連携は、タジキスタンの経済的・社会的発展を促進する重要なステップとなることでしょう。これからの展開に期待が寄せられています。