坂田靖子の新たな探偵バディ作品
坂田靖子の最新作『一応探偵局』がついに完結を迎え、その第3巻が2025年3月17日に発売されます。前作『バジル氏の優雅な生活』などで知られる彼女の作品は、イギリスを舞台にした多様な世界観が魅力ですが、本作もその期待を裏切りません。
興味深い登場人物たち
この物語の主人公は、緩やかな探偵のマクスと、彼を心配し雇われた真面目な会計士ジョージ。二人のデコボコバディが織り成すコミカルかつ心温まる探偵物語は、どこかほっこりとした雰囲気を持っています。
物語が進むにつれて訪れる依頼は実に様々。マクスの店舗に訪れる客は、時に奇妙で、時に心に響く声を持った人々ばかりです。お金の無い子供や迷える老若男女たちが彼らの元にやってきますが、報酬は多くありません。それでもマクスは、困った人々のために微笑みを絶やさず、心温まる解決を試みるのです。
会計士のジョージは、そんなマクスを支えつつ、探偵業務の上での詳細な経理をこだわり続けます。たとえオタマジャクシのような小さな経費さえも、計上せずにはいられない生真面目ぶりが彼の魅力の一つです。
心の葛藤と成長の物語
しかし、ほんの少し距離を保ち続けるマクスには、幼少期の不思議な経験が影を落としています。その結果、彼は他者との距離感を大切にしてきました。マクスが心を開くことができない理由が明らかになる中、徐々に彼に寄り添う存在が浮かび上がってきます。
物語が進むにつれ、マクスとジョージの関係性が深まっていき、最終的には心の絆が強化されていく様子が描かれています。第3巻では、その心温まるラストエピソードが用意されており、読者の心をも解きほぐすような終章を迎えます。
書誌情報
- - 書名:『一応探偵局』3巻
- - 著者:坂田靖子
- - 発売日:2025年3月17日
- - 定価:792円(税込)
- - 判型:B6判
- - 発行元:双葉社
- - レーベル:ジュールコミックス
物語の中には人を信じることの大切さ、人とのつながりがもたらす温かさがしっかりと描かれています。完結を迎えるこの作品を、ぜひお楽しみにしていてください。
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