物流業界の未来を担うリーダー育成と人材確保に向けた取り組み
2024年10月23日、神奈川県相模原市の株式会社ギオンと埼玉県さいたま市のアサヒロジスティクス株式会社は、東京都内で合同勉強会を開催しました。両社の中堅社員約40名が参加し、物流業界が抱える深刻な人材不足問題への対策をテーマに、活発な議論が交わされました。
勉強会の目的と概要
この合同勉強会は、競合他社同士が協力して業界全体の課題解決を目指す画期的な試みです。「他流試合」と名付けられたこのイベントでは、次世代リーダーの育成と人材確保・定着に向けた具体的な方策を探ることを目的としています。
参加者は両社の中堅社員40名。午後はグループディスカッション、各グループの発表、そして意見交換会と、充実した内容が組まれていました。ディスカッションのテーマは「物流業界で本格化している人手不足に対して、どのように人材を確保・定着させるか。また、働きやすい環境をどうするか」という、業界の喫緊の課題です。
グループディスカッション:具体的な課題と解決策
参加者は3~4名ずつのグループに分かれ、人材確保、定着、働きやすい環境づくり、多様性の受け入れ、福利厚生の充実といったテーマについて活発な議論を展開しました。
人材の確保
・SNSなどを活用した積極的な採用活動の強化
・現場社員の採用活動への参加
・従業員紹介制度の導入
・募集条件の拡大(年齢、性別、国籍など)
・他業種からの積極的な採用
人材の定着
・賃金・評価制度の見直し(競争力のある賃金設定、成果主義の導入)
・業務マニュアル化による標準化
働きやすい環境
・週休3日制などの柔軟な働き方
・子育て支援策(保育園併設など)
・コミュニケーション促進、意見吸い上げシステム
・コンプライアンス研修、ストレスチェック
・職場環境の改善(設備改修、業務量の平準化)
・女性が働きやすい環境づくり
・生活環境に合わせたシフト制
多様性の受け入れ
・容姿、髪型などの自由化
・多様な価値観の尊重
・若年層向け研修制度の充実
福利厚生の充実
・従業員の多様なニーズに対応した柔軟な福利厚生制度
勉強会を終えて
アサヒロジスティクス株式会社の井上氏と、株式会社ギオンの須藤氏は、今回の勉強会で得られた知見を実際の業務に活かし、業界全体の発展に貢献したいと述べています。競合他社同士が協力して課題解決を目指すこの取り組みは、物流業界の未来にとって大きな一歩となるでしょう。
企業紹介
アサヒロジスティクス株式会社
関東を中心に食品物流を展開する大手企業。1500台のトラックと2500名以上のドライバーを擁し、日々500万人の食生活を支えています。人材育成にも力を入れており、顧客満足度と社員満足度の向上を目指しています。
株式会社ギオン
神奈川県相模原市に本社を置く総合物流企業。「運ぶちから、未来をつくる」をミッションに、食品を中心に幅広い物流サービスを提供しています。環境と健康にも配慮した事業展開を行い、2021年には日本最大級の物流施設GLP ALFALINK相模原に進出しました。現在、全国90拠点で事業を展開しています。
まとめ
今回の合同勉強会は、物流業界における人材不足という深刻な問題に対し、競合企業が協力して解決策を探るという、非常に意義深い試みでした。両社が示した具体的な取り組みは、今後、業界全体の改善に繋がる可能性を秘めています。この取り組みが、日本の物流業界の活性化に貢献することを期待しています。