新しい温度計測技術の進化
株式会社チノーは、2024年8月30日に新型のサーモグラフィ、赤外線放射温度計用の校正・点検装置である『高放射率平面黒体炉IR-R41』を発売します。この製品は、2023年3月に発表された『IR-R40』の改良版で、より幅広い用途に対応した性能を備えています。高放射率の平面黒体炉は、従来の機器よりも精度の高い温度計測を可能にし、背景放射の影響を最小限に抑える技術が盛り込まれています。
進化した校正温度範囲
IR-R41の特筆すべき点は、校正温度範囲の拡大です。IR-R40は体温周辺(最大50℃)の校正を目的としていましたが、IR-R41は新たに-15℃から120℃までの温度に対応。これにより、多様な場面で利用できるようになりました。
放射面サイズのアップ
放射面サイズも改善され、従来の60mm角から100mm角に拡大されました。これにより、さらに多くのサーモグラフィや赤外放射温度計での使用が可能になり、製品の応用範囲が広がります。
高放射率の実現
IR-R41は放射率が0.995以上で、一般的な平面黒体炉の放射率(0.96〜0.98)と比較しても、その性能は際立っています。放射率が高いほど、正確な温度計測を行う上で有利です。背景放射の影響を受けにくくすることで、より正確なデータを得ることが期待されます。これは特に、精密な温度管理が求められる分野での重要な特徴と言えるでしょう。
様々な設置シナリオに対応
また、IR-R41の設計には卓上設置可能という利点も含まれています。黒体ユニットと制御ユニットは分離可能で、設置の自由度が高いです。操作部を使用者側に向けたり、黒体ユニットを横向きにしたりと、作業環境に応じた適切な配置が可能です。さらに、小型で軽量なため、持ち運びや設置も簡単です。
安全性とユーザビリティ
温度が安定するとブザーで知らせる機能や、RS-485通信インターフェースを搭載し、ユーザーにとって使いやすい設計になっています。これにより、業務の生産性をさらに高める効果が期待できるでしょう。
価格と展望
IR-R41の価格は、本体が2,200,000円(税込)で、アクセサリとしてパージユニット(137,500円)や絞り(33,000円)も用意されています。チノーは、計測・制御・監視の専門企業として長年の実績を持っており、異なるニーズに合わせた製品を連携させた「温度ループ」システムを提供しています。今後も業界の発展に寄与し続けることでしょう。
会社情報
株式会社チノーは1936年に設立され、東京都板橋区に本社を構えています。代表取締役社長は豊田三喜男氏で、同社の製品は温度計測・制御分野での品質を高めるための重要な役割を果たしています。チノーの公式ウェブサイトには、さらなる情報や製品紹介が掲載されていますので、ぜひ訪れてみてください。