不気味なエンジン音を聞いた時、あなたは何を感じる?
2025年9月29日、株式会社竹書房からファンキー・中村による新刊『車の怪談』が発売されます。この作品は、未知の恐怖と自動車への愛情が交差する物語を収めた一冊です。著者のファンキー・中村は、自身の体験を交えながら、さまざまな車にまつわる怪談を描いています。いくつかの作品を紹介しながら、その不気味さに迫ってみたいと思います。
欲望と恐怖の交錯
この書籍には、タクシーやポルシェ、カペラREクーペ、タンクローリーなど、さまざまな車が登場します。それぞれの車にまつわる短編が35篇収められており、どの物語も一筋縄ではいかない恐怖が待ち受けています。たとえば、「カペラREクーペ」では、車の中から知らない男の声が聞こえてくるという体験が描かれています。このようなシチュエーションは、運転中に抱きがちな不安感を巧みに掘り下げています。
また「タンクローリー」では、町工場の傍らに放置されたタンクの中で回転する女の首という不気味なシーンが描写され、読者の想像力を刺激します。これらの怪談は、単に恐怖を与えるだけでなく、車が持つ魅力や人々の感情を交差させる試みとなっています。
多様性に富んだ物語
「ツーマンバス」では、友人の見舞いで訪れた田舎町での不思議な出来事が語られ、「タクシー奇譚」では乗車拒否したはずの老婆がいつの間にか乗っているという恐怖に直面します。こうした物語は、日常生活の中に潜む怪奇を描写しながら、我々が普段見過ごしているものに警鐘を鳴らしています。
また「ポルシェを愛した男」や「冬の華」といった話も、人々の愛や悲しみに結びついたストーリーが展開され、怪異が人間の心にどれほど影響を与えるかを考えさせられます。このように、多様な物語が並ぶことで、読者はページをめくるごとに新たな恐怖と驚きを体感できます。
著者ファンキー・中村の半生
著者のファンキー・中村は、北海道岩見沢市出身の怪談師で、19歳の時に初めて怪談ライブを実施して以来、42年間にわたってその伝統を守り続けています。彼自身も自動車に対する強い思い入れを持ち、若い頃の経験から車と怪談がいかに関わり合ったかを痛感しています。彼の過去のエピソードは、作品にリアリティを与え、読者との心の距離を縮める要因となっているでしょう。
書誌情報と発売日
『車の怪談』は288ページからなる文庫本で、定価は840円(税別)。怪談ファンや車好きな方にとっては必見の一冊になること間違いなしです。公式サイトからの予約も可能ですので、ぜひチェックしてみてください。
この作品は、怪談の魅力を新たな視点から捉え直し、まるで運転中に体験するドキドキ感をお届けします。恐怖と興奮を味わいながら、まさに未知のドライブをお楽しみください!