東京工業大学主催の生成AIアプリコンテスト
2024年8月から9月にかけて、東京工業大学が主催する生成AIを利用したアプリケーション作成コンテストが開催されました。このイベントには東京医科歯科大学と日本電気株式会社(NEC)が協力し、学生たちに生成AIを体験的に学ぶ機会を提供しました。コンテストの目的は、学生たちが生成AIの実際の活用法を理解し、AIスキルの習得につなげることです。
生成AIは今や多くの産業分野で急速に普及しており、その重要性は日々増しています。AI技術の進化に伴い、高度なAIスキルを持つ人材の需要も高まり、企業や社会全体での人材育成が求められています。東工大は科学技術の分野で人材を輩出し、医科歯科大は「知と癒し」の創造、NECは先進AIで社会価値を生み出すという使命のもと、このコンテストを通じて高度AI人材の育成を推進しています。
コンテストの実施内容
NECは特に、生成AIの中心技術である「cotomi」を提供し、参加者への使い方指導やアイデアワークショップを開催しました。ハッカソン期間中も学生がcotomiを効果的に活用できるようにサポートを行いました。コンテストの開催期間は2024年8月8日から9月11日までで、東京工業大学および東京医科歯科大学から約40名の学生が参加しました。
開発されたアプリケーション
学生たちは、日常生活の中での「困りごと」を解決するアプリを開発しました。技術的要素だけでなく、アプリがどのように誰に役立つかということも重要な評価ポイントとなりました。最優秀賞には、キャリーというアプリが選ばれ、その概要は以下の通りです。
最優秀賞アプリ:Ciary(キャリー)
このアプリは、日記に基づいてユーザーの健康状態を記録し、医学的な症状を特定するサポートを行います。チャット機能を通じてユーザーと対話し、重要な情報を引き出すことが可能です。近い将来、医師に必要な情報を整理し、診断を効果的にサポートすることが期待されています。
優秀賞アプリ:デジタル頭痛ダイアリー with cotomi
このアプリは、従来の紙に記載していた頭痛ダイアリーをデジタル化することで、利便性の向上を図りました。医師が頭痛のデータをわかりやすく解釈する手助けをし、効率的な治療に寄与することを目指しています。また、cotomiとの対話を通じて、頭痛の誘発要因を特定し、個別の対策を提案する可能性もあります。
今後の展望
NECは、大学とのアカデミア連携によるオープンイノベーションの推進を掲げており、AI技術の研究や開発を進めると共に、その技術を活用できる人材の育成にも力を入れています。社会全体やAI市場の活性化に貢献する姿勢を強化し、AI技術のさらなる普及を目指します。
特に、「BluStellar」という価値創造モデルのもと、NECは最先端のテクノロジーを用いてビジネスモデルの改革を行い、社会の課題解決を率先します。このコンテストを通じて、学生たちが未来のAI技術の専門家として成長することを期待しています。