十六銀行とNTTネクシアの協業
株式会社十六銀行と株式会社NTTネクシアは、金融庁が提唱するリスクベース・アプローチに基づくリスク評価の自動化に乗り出しました。この取り組みは、RPA(Robotic Process Automation)技術を活用し、業務の正確性や効率性の向上を目指しています。
背景と目的
金融機関は、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の対策として、特にリスクの高い取引についてピンポイントでチェックを行う必要があります。しかし、業務の負担が大きく、人手不足が深刻化しているため、効率的な業務運営が求められています。特に、金融機関の顧客情報には高度なセキュリティが必要であり、アウトソーシングやデジタル化には慎重さが求められる状況です。
2022年から始まった十六銀行の外為ヘルプデスク運営を通じて、NTTネクシアと築かれた信頼関係を背景に、両社はリスク評価の効率化に協力することとなりました。//
自動化ツールの概要
新たに開発された自動化ツールでは、外国送金依頼書のリスク評価をRPAによって効率化します。全ての評価作業が自動化され、手作業による負担が軽減されます。また、評価後のデータは、十六銀行のファイルサーバーに安全に保存され、行員は必要に応じて直接アクセスすることが可能です。デジタルデータ化を行うことで、紙の依頼書の処理も効率化されます。
高いセキュリティ環境
本サービスは、NTTグループが持つ高いセキュリティ環境で実施されます。データの受け渡しには「データブリッジ®」と呼ばれるセキュリティ機器を使用し、インターネットから切り離されたスタンドアロン型のシステムで提供されるため、金融機関でも安心して導入できます。
メリットと今後の展望
この取り組みにより、リスク評価の精度が向上し、業務の効率化に貢献することが期待されています。行員の稼働時間を削減し、ペーパーレス化を進めることが目標です。今後は、外国為替予約取引や、大量の処理済書類のデジタル化によるさらなる効率化に向けても取り組む意向を示しています。
十六銀行とNTTネクシアの連携によって、金融業界での自動化が進む中、他の金融機関にも同様のサービスが提供されることが予想されます。このような進展がもたらす新たなビジネスチャンスに、今後も期待が寄せられています。
注記
記事中に記載されている企業名やサービス名は、それぞれの登録商標または商標です。発表される情報は発表時点のものであり、現時点で異なる可能性がありますのでご了承ください。