警備業界イノベーションへの一歩!株式会社strayaが1億円超の資金調達
東京に本社を構える株式会社strayaは、警備業界向けのDXプラットフォーム「KUMOCAN(くもかん)」を展開し、今回1億円以上の資金調達を実施しました。この資金調達ラウンドには、DNX Venturesがリード投資家として参加し、DG Daiwa Venturesおよび複数のエンジェル投資家も名を連ねています。
警備業界の現状と課題
警備業界は国内で約3.5兆円の市場を有し、約59万人がその職に従事しています。治安維持という重要な役割を担っている一方で、人手不足が大きな課題となっています。実際、警備業界の有効求人倍率は7.45倍を超えており、さらに交通誘導や雑踏警備といった特定職種では42.9倍にも達しています。採用しにくい現状に加え、採用した警備員の26%が1ヶ月以内に退職し、1年で8割が去ってしまうという高離職率も問題視されています。
結果として、企業は需要があるにもかかわらず「人がいない」ために仕事を断る事態に陥っています。このような背景から、警備業界全体が持続可能性に結果的に暗い影を落としているという調査結果も出ています。ストラヤの代表である渡辺拓也氏は、警備業界崩壊の危機感を抱き、それが企業設立の動機となりました。
提供する解決策「KUMOCAN」
strayaはこの課題解決のため、「KUMOCAN」を通じて業務フローのデジタル化を進めています。従来のアナログ管理から脱却し、シフト管理や勤怠、給与計算などを一本化することで業務の効率化を実現します。また、集まったデータを活用したAIによる退職予測機能や自動配置機能も開発しています。これにより、属人的なマネジメントを排除し、誰でも同じ水準で適正配置が可能になります。
特に、導入企業では退職意欲の高い警備員を早期に見つけ出し、離職を予防する成功事例も増加しています。また、警備員1名が創出する経済的インパクトは年間150万円以上とも言われ、早期離職の防止が企業の収益に直結する状況を生み出しています。
将来の展望
今後、strayaは「KUMOCAN」を活用した顧客基盤や現場データを基に、さらに複数のプロダクトを展開し、業界のHR課題に取り組む予定です。調達した資金はプロダクト開発や営業体制の強化、そして人材採用に投じられ、警備業界の全体的な進化を目指します。
また、将来的には警備業界における「採用・育成・マネジメント・定着・再雇用」といった全領域における包括的な解決策を提供し、社会インフラを支える産業全体に変革をもたらすことを目指します。
投資家の反応
DNX Venturesの代表である倉林陽氏は、strayaの提供するプラットフォームが警備業界の根本的な問題解決に寄与することを期待しており、同社のビジョンに強く感銘を受けたとして出資の決定がなされたことを語っています。
まとめ
strayaは警備業界の未来を変えるために重要なステップを踏み出しました。今後も「KUMOCAN」を始めとしたイノベーションを通じて、人手不足の解消や業務効率化に貢献し、若者が憧れる職業へと変貌させていくことでしょう。警備業界が抱える潜在課題を解決する企業として、その活動に注目が集まります。