広島県に誕生したジビエ加工施設の背景
広島県神石郡神石高原町に、日本初となるペットフード製造を兼ね備えたジビエ加工施設がオープンしました。この施設は、害獣問題に取り組みながら地域活性化を図る画期的な試みとして注目されています。
この新たな施設は、2018年に福山市で初めての野生鳥獣認定施設としての役割を果たしてきた「備後ジビエ製作所」の2号店です。その開業により、年間1,500頭の野生動物の中から約40%が美味しい食肉として流通し、残りの60%はペットフードに転用される方針となっています。これによって、ジビエ肉の品質安定化と新たなビジネスモデルの確立が期待されます。
施設開業の背景とオーナーの思い
オーナーの前田氏は元々大阪で飲食業を営んでいましたが、狩猟免許を取得した後、全国各地で野生鳥獣の問題を目の当たりにしました。増加する野生鳥獣がもたらす農作物への被害や、駆除された動物が食肉用として流通しない現状を知った彼は、地域の農家を守るためにこの施設の設立を決意しました。
特に、備後地域は「猪の王国」ともいわれるほどのイノシシが多く、駆除されても解体加工を行う施設がなかったため、多くの動物が捨てられる状況にありました。これを改善するため、前田氏は地域の若手狩猟者を育成し、害獣駆除をビジネスに変える取り組みを始めたのです。
環境への影響と地域社会への貢献
新施設では、捨てられていた害獣を有効活用し、美味しいジビエ肉として提供することができるようになりました。猟友会や農家から捕獲した害獣を買い取ることで、双方に利益が生まれる仕組みも整いつつあります。このように地域全体が美味しい食材に変わることで、鳥獣被害対策や地域の活性化に寄与することが期待されています。
神石郡の猟友会からの相談を受け、行政の協力も得て、今回の開業が実現しました。これは全国の734の解体処理施設の中でも商業的に成功している数少ない事例の一つと言えます。備後ジビエ製作所は顧客の信頼を得て、開業以来5年間続けて売上を伸ばしています。
美味しさの秘密
「備後ジビエ製作所」では、備後地域の豊かな自然環境で育った天然のイノシシを取り扱っています。彼らは栗やタケノコ、どんぐり、みかんなどの地元の恵みをふんだんに摂取して育っています。その味は、全国的に「最高級猪肉」として知られており、多くの人に愛されています。
今後の展望
新たにペットフード製造を併設したことにより、今後はジビエを利用したペットフードや全身クリームの開発など、新商品展開も予定されています。これにより、さらに新しい可能性が広がり、持続可能な食文化の確立へ向けた一歩を踏み出すことができるでしょう。
会社概要
- - 会社名:株式会社BINGO
- - 所在地:〒729-3101 広島県福山市新市町戸手1324-8
- - 電話番号:084-755-4141
- - URL :bingogibier.com