フィリピンの教育現状
フィリピンの教育システムは、教科書不足や過密学級、教員不足という深刻な問題に直面しています。国連児童基金(UNICEF)が発表した報告書によると、現在フィリピンの小学5年生の約42%が教科書を他の児童と共有しています。この数字は、教育の質や子どもたちの学習機会にどのような影響を与えているのでしょうか。
教科書共有の実態
データによると、2人で1冊の教科書を使用している児童が23%、3人以上で1冊を使用している児童は19%に上ります。さらに、7%の児童は教科書を一冊も持っていません。自分専用の教科書を持つ児童は52%にとどまり、これは2019年の92%から約40ポイントも低下したことを意味します。フィリピンは、ミャンマーやベトナムなどの周辺国に比べ、教科書の普及率が著しく低く、教育の基盤が十分に整っていないことが見て取れます。
学習の貧困
教科書不足はただの物資の欠如ではなく、深刻な「学習の貧困」を引き起こします。世界銀行は、フィリピンを「学習の貧困」が90%を超える国と評価しています。これは、10歳時点で年齢に応じた文章を理解できない子どもたちの割合を示す指標です。新型コロナウイルスの影響で、教育環境はさらに悪化し、特に遠隔授業にアクセスできなかった多くの子どもたちが学ぶ機会を失いました。
過密学級と教員不足
フィリピン国内では、教室不足が慢性化し、1クラスに50人から70人が集まるといった過密学級が普通です。教育省によれば、全国で15万教室以上が不足しているとのことです。加えて、教育者は不足しているわけではなく資格保持者は多いですが、公立校の教員採用は欠員補充式で、過労も影響し現場での人手が不足しています。特に管理職層の海外流出は、教育の質に長期的な影響を及ぼしています。
校内の実情
実際に、セブ市内のある公立小学校では、約4,200人の児童に対して教員が約120人しかいません。教科書は3~4人で1冊を共有することが常態化しており、新しいカリキュラムに基づく教科書が届かない場合、教員は資料も無しに授業を進めることになります。
DAREDEMO HEROの活動
こうした厳しい状況の中、教育支援団体DAREDEMO HEROは重要な役割を果たしています。彼らは学習センターを運営し、教科書のコピーを常設して、放課後や週末に自由に学べる環境を提供しています。資格を持つスタッフが宿題や復習を個別にサポートし、基礎学力の向上に寄与しています。また、週末や長期休暇には補習クラスも行っています。
災害時の支援
最近発生したセブ沖地震では、多くの学校が授業を継続できなくなりましたが、DAREDEMO HEROは臨時の学習環境を確保しました。仮設のテントを設置することで、学びの場を提供し、子どもたちが日常生活に戻るための支援を行っています。
結語
フィリピンの教育問題は、一国だけの問題ではありません。教育のアクセスや質を確保することは、国境を越えた共通の課題です。DAREDEMO HEROは、教育環境の厳しさの中で学びを諦めない子どもたちのために、活動を続けています。
詳しくは、DAREDEMO HEROの公式サイトをご覧ください:
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