高槻市で特別展「戦国動乱の畿内」開催
高槻市立しろあと歴史館では、令和7年12月14日(日曜日)まで、「戦国動乱の畿内―足利将軍家と細川京兆家の分裂―」という特別展を開催しています。この展覧会は、戦国時代の畿内における政治の複雑さをテーマにしており、当時の古文書や肖像画を通じてその歴史を紹介しています。
特に注目すべきは、富田地域に一時置かれた室町幕府の歴史です。この地域はただの地名ではなく、戦国武将三好長慶の拠点だった「芥川城」があるなど、政治の舞台でもありました。展示では当時の政治情勢の変遷を示す多彩な展示品が用意されており、訪れる人々に戦国時代の息遣いを感じさせてくれます。
戦国時代の複雑な政治情勢
室町幕府の将軍・足利家の間では、将軍職を巡る激しい争いが繰り広げられていました。特に、幕府の重要な地位を占める細川京兆家内での家督争いが激化し、これが畿内の政治情勢をさらに複雑化させました。足利将軍家と細川京兆家が分裂することにより、三好長慶や織田信長など、のちに名を馳せる武将たちの登場にも直接的な影響を与えました。
高槻市は、本来細川高国が築いた「芥川城」をはじめ、細川晴元や三好長慶が居城とした富田など、歴史的な建造物や地域が点在しており、当地の歴史は戦国時代の複雑な政治と深い関わりを持っています。現在開催中の特別展では、これらの歴史的背景にも触れながら、足利将軍家や細川京兆家の動向をたどることができます。
展示内容と見どころ
今回の特別展では、将軍足利義晴が敵対する勢力の退治を祈願した国宝の文書「足利義晴御判御教書」や、松永久秀が奉納したとされる足利義政の所用品となる硯、さらには細川政元や足利義輝などの肖像画が展示されています。また、富田で見つかった大甕などの出土品もあり、視覚的にも楽しめる内容となっています。
展示品の多くは一つひとつが歴史を物語っており、来場者は当時の情勢や人々の生活をリアルに感じることができるでしょう。担当の学芸員は、「展示を通じて歴史の大きな流れを感じていただくとともに、高槻市が担った歴史的役割についても考えていただければと思います」とコメントしています。
展覧会の基本情報
特別展「戦国動乱の畿内」は高槻市立しろあと歴史館の企画展示室及び常設展示室の一部で開催されており、開館時間は10時から17時まで、入館は16時30分までです。月曜日と11月25日(火曜日)は休館日ですが、月曜日が祝日の場合は開館となります。入館料は200円で、学生料金も設定されています。展示は随時変更されるため、公式ウェブサイトで最新情報を確認することをお勧めします。
戦国時代の畿内を知る貴重な機会ですので、興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。