優れたロジスティクス実践を称える2025年度大賞の受賞企業とは

2025年度ロジスティクス大賞を受賞した企業について

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会（JILS）が主催する「ロジスティクス大賞」の2025年度受賞が発表されました。これは、ロジスティクス分野での優れた業績を讃えるものであり、今年で第42回目となります。受賞したのは次の4つの企業および団体です。

受賞結果と企業の取り組み

ロジスティクス大賞

受賞法人: 一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会、株式会社traevo
事例: 共同輸送データベースの普及によるフィジカルインターネットの実現
受賞理由: 「traevo」が構築した共同輸送データベースは、物流情報の可視化と共有を促進し、異なる業種間での実用的な連携を可能にしました。特に、複数企業による貨物の共同利用や帰り便の確保など、物流の非競争分野での協調を図る取り組みが評価されています。このモデルは、将来的な国際物流の改善や環境課題への寄与も期待されています。

ロジスティクス準大賞

受賞企業: 株式会社ミスミグループ本社
事例: 機械部品業界におけるサプライチェーンの在庫可視化
受賞理由: 機械部品の受発注、在庫、輸送をリアルタイムで管理するプラットフォームにより、業界内での納期厳守率向上とリードタイム短縮を達成しました。特に、AIを活用した予測や動態データの使用により、全体的な業務最適化を目指しています。

ロジスティクス大賞技術革新特別賞

受賞企業: 花王株式会社
事例: デジタルデータと先端技術を活用した自動化倉庫の実現
受賞理由: 花王の自動化倉庫プロジェクトは、ロボティクスやIoT技術を駆使して、人手不足の解決に寄与しています。作業の標準化や効率向上により、物流の品質と安全性の向上も実現しています。この取り組みは、次世代の物流モデルを模索する上でも重要なステップと考えられています。

ロジスティクス大賞社会性特別賞

受賞企業: 株式会社クボタ
事例: 東京港オフピーク輸送トライアルプロジェクト
受賞理由: 複数の民間企業と連携したこのプロジェクトは、東京港の混雑緩和と物流効率の向上を目指しています。夜間輸送や午前中の搬出入推進により、環境への負荷を軽減しつつ、継続可能な物流のモデルケースとして評価されました。

表彰式と今後の展望

これらの受賞企業の表彰式は、2025年10月17日(金)に開催される「ロジスティクス全国大会2025」で行われます。日本ロジスティクスシステム協会の会長がプレゼンターとして登場します。

日本ロジスティクスシステム協会について

この協会は1970年に設立され、以来ロジスティクス分野の研究や普及、人材育成に取り組んできました。現在では、公益法人として広範な活動を展開しています。詳細は協会の公式サイトをご覧ください。

これらの受賞事例は、ロジスティクス業界におけるイノベーションの先駆けであり、今後の業界発展への期待を高めるものであるといえます。