最近、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下、MS&AD)と公益財団法人日本自然保護協会(以下、NACS-J)が、共に地球環境との共生を目指すための協定を締結しました。この協定には、生物多様性の保全と回復を目指し、両者が持つ情報や知見を共有し合うことが盛り込まれています。
協定の背景
近年、自然資本の損失や生物多様性の減少は、持続可能な社会の実現にとって深刻な問題となっています。NACS-Jは、生物多様性の回復や社会変革を目指して活動を行っており、この分野での専門的な知見を持っています。また、MS&ADも、自社のビジョンにおいて地球環境との共生を重視し、自然資本の持続可能性を高めるための取り組みを行っています。
今後の展開
この協定によって、NACS-Jが全国で行っている科学的調査や分析の結果をMS&ADが活用することで、より正確な自然環境への影響評価が可能になります。MS&ADは、このデータを通じて顧客との対話を深め、生物多様性や自然災害リスクの軽減に役立つ商品やサービスを提供することを目指しています。
さらに、NACS-Jの「Nature-based Solutions(NbS)」というアプローチに対して、MS&ADの保険事業と投融資による支援が期待されています。NbSは、自然の力を活用して気候変動や自然災害による被害を軽減する取り組みであり、両者の連携によりさらなる効果が見込まれます。
ネイチャーポジティブ経済の実現
本協定の背景には、政府の「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」があり、企業や金融機関が自然を保全する経済に移行することが求められています。ネイチャーポジティブとは、2030年までに自然の損失を止め、回復に向かうことを目指す目標であり、これはG7サミットや国連でも合意された重要な課題です。
まとめ
MS&ADとNACS-Jの協働は、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みとなるでしょう。生物多様性の保全はすべての人々が関与すべき問題であり、企業と団体の連携はその実現に向けて大きな力となります。今後の展開に期待が寄せられます。