新たな社会インフラの実現に向けたREXEVの挑戦と成果
株式会社REXEVは、東京都の「ゼロエミッション東京の実現に向けた技術開発支援事業」において、EV(電気自動車)を活用した大規模なバーチャルパワープラント(VPP)事業の実証を行い、実用化レベルの成果を達成しました。この取り組みは、再生可能エネルギーとEVを効果的に組み合わせ、持続可能で環境に優しい社会インフラの構築に寄与するものです。
REXEVとEVの新しい価値
EVは「移動体」としての役割だけでなく、電力系統の安定化や再生可能エネルギーとの連携が求められる分散型電源としても重要性が増しています。REXEVでは、EVをVPPとして活用するための技術開発を進めており、その成果が今回の実証によって実現しました。
本事業では、EVの通常利用と高精度なエネルギー制御を両立させることに成功し、東京の電力市場に同時に対応できるマルチユース型エネルギーマネジメントシステム(eMMP)を構築しました。これにより、5000台規模のEV制御への対応が可能となり、ランニングコストも大幅に削減されました。
実証事業の課題解決
これまでのVPP導入では、以下のような課題が存在していました。
1.
EVの車両利用と充電制御の両立:EVは日常的に使用されるため、移動と充電制御を高度に両立させる必要がありました。
2.
多様なEVと充電器の統合:将来的に車両や充電インフラが多様化する中で、汎用性の高いプラットフォームが必要でした。
3.
高コストの導入障壁:VPP参加に伴う初期導入コストやランニングコストが個人や法人にとっての負担となっていました。
REXEVは、これらの課題を克服するために技術開発を進め、VPPの社会実装を現実のものにしました。
実証の具体的な成果
REXEVは、東京都の支援を受けて実証事業を実施し、以下の成果を挙げました:
1.
eMMPの進化:EV制御プラットフォームを用いて、多様な電力市場での同時制御を実現。これにより、系統安定化や電力調達コストの削減に寄与する可能性が示されました。
2.
大規模対応の実現:5000台規模のEVを同時に管理することができ、今後は数万台規模での商用展開を目指します。
3.
コストの大幅削減:VPP参加費用を従来の月額2万5,000円から500円にまで削減し、初期導入コストも100%削減することができました。
これにより、個人や法人がコストを抑えてEVをVPPに参加させるための環境が整いました。
REXEVの今後の展望
REXEVは、エネルギーマネジメントを通じて、EVの新しい使い方を提案していきます。今後は物流会社やバス運営会社など、大型EV導入を検討している企業に向けても、REXEVのエネルギーマネジメントプラットフォームを活用したサービスを展開し、VPPの更なる拡大を目指していきます。これにより、EVを活用した新しい社会インフラの構築に貢献すると同時に、持続可能な未来への一歩を踏み出します。