量子コンピューターの研究
2025-08-01 14:02:32

量子コンピューター利用促進に向けた革新技術の研究開発開始

量子コンピューター利用促進に向けた研究開発の開始



日本国内における量子コンピューターの活用を促進するため、早稲田大学が中心となり、産官学10つの機関で構成された共同研究プロジェクトが始まりました。この取り組みは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援の下、2025年7月31日を目標に具体化される予定です。

目指すべき「AI・量子共通基盤」とは?



この共通基盤は、専門的な知識を必要とせずに量子技術を活用できるプラットフォームの構築を目指しています。具体的には、最適化アプリケーションの高性能化に関して、早稲田大学が中心となり、利用者が量子コンピュータの機能を直感的に利用できる環境を整備します。量子コンピューターの導入が進み、様々な産業分野での利用が期待される中、技術の専門知識が要求される現状を打破することがこのプロジェクトの大きな目的です。

取組の背景と課題



世界中で進フ観の兆しが見える量子コンピューターの市場ですが、その利用には高い専門性が求められます。特に、日本では「2030年までに量子技術の利用者を1,000万人、国内生産額を50兆円にする」という目標が掲げられており、これに向けた取り組みが求められている現状です。しかし、専門知識がない利用者にとって、今のところ量子コンピューターを使うのはハードルが高いとされています。

研究開発の具体的な内容



本研究は、量子コンピューターを産業において広く使うための二つの主要テーマに分かれています。第一に、量子技術に関する専門知識を要せずに活用できるミドルウェア技術の開発です。これには、量子コンピュータの機能を使いやすく抽象化するためのAPIの設計、そしてAIを活用した統合開発環境の構築が含まれます。

第二に、量子コンピュータの運用技術の確立です。具体的には、テレメトリデータを使用して運用の管理技術や障害検知技術を開発し、安定性を高めたり、長期間の運用を可能にする技術の開発が進められます。

具体的な役割分担を以下に示します:
  • - KDDI株式会社: プロジェクトの統括やASP(アプリケーションサービスプロバイダ)の開発。
  • - 株式会社KDDI総合研究所: 技術要件定義や量子プログラム生成AIモデルの開発。
  • - 早稲田大学: IDEプロトタイプのAPI開発、最適化アプリケーションの高性能化に関する研究。

量子未来社会ビジョンに向けて



この研究開発を通じ、量子コンピュータの利用の敷居を下げ、より多くの人々や企業がこの新たな技術を活用できるようになることが期待されています。特に、通信分野における新たなユースケースの創出を目指し、量子技術の社会実装と産業化が重要です。これによって、AIと量子計算資源を融合した新しい社会の実現が加速すると考えられています。

早稲田大学の戸川望教授は、この取り組みへの期待を語り、量子技術を用いた未来社会を実現するための一助となりたいと述べています。量子コンピュータの大きな可能性をさらに引き出すことで、通信分野のみならず様々な業種への広がりが期待されます。

この挑戦は、量子技術の新たな段階を迎える重要な一歩となることでしょう。


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